平成22年度 新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室・関西公演
蝶々夫人

2005年初演後、公演を重ねるたびに劇場を感動の渦に包む新国立劇場ならではの強いメッセージを持った人気プロダクションです。世界各地で様々な演出家が手がけている『蝶々夫人』、新国立劇場オペラは『夕鶴』に続く2作目の演出となった栗山民也は、死を以て愛を貫いた蝶々さんの世界を、舞台奥にアメリカのシンボルである星条旗がはためく空間で描いています。原作にみる西洋と東洋の主従関係が、今日の世界の構造と全く変わっていないことを暗示しています。ドラマチックな物語はイタリア・オペラの巨匠プッチーニの心に響く美しい音楽にあふれています。

〈新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室〉
「新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室」は、現代舞台芸術の一層の普及をめざす新国立劇場が、次の世代を担う青少年に優れた本物の芸術を鑑賞する機会として平成10年度より毎年開催しています。高校生に、一般のお客様と全く同じスタイルで名作オペラを全曲鑑賞していただくという新国立劇場独自のコンセプトが大変ご好評をいただいております。
新国立劇場では12回目の実施となる2009年(平成21年)7月の『トスカ』公演では、山梨県、栃木県を含む首都圏を中心とした高校生が集まりました。来場者の86.3%がオペラ鑑賞初体験、68.4%が作品のタイトルすら知らないというアンケート結果でしたが、幕が開くとざわついた劇場内はたちまち静まりかえり、ドラマチックなストーリー展開と情熱的な音楽にあふれるプッチーニの名作を体感していました。
平成20年度からは新たに関西公演がスタート、2年連続で不朽の名作『蝶々夫人』を上演しました。1年間で東京公演、関西公演あわせて1万3千人を超す高校生が「本物の総合芸術」である新国立劇場のオペラ鑑賞教室でオペラデビューを果たしています。
【主 催】
新国立劇場/財団法人 尼崎市総合文化センター
【助成】
公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーション
【協賛】
ローム株式会社