蝶々夫人

  • 2010/2011シーズン
  • 2010/2011 Season Opera
    Giacomo Puccini:Madama Butterfly
    ジャコモ・プッチーニ/全2幕
    【イタリア語上演/字幕付】

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  • オペラ劇場

2005年初演後、公演を重ねるたびに劇場を感動の渦に包む新国立劇場ならではの強いメッセージを持った人気プロダクションです。世界各地で様々な演出家が手がけている『蝶々夫人』、新国立劇場オペラは『夕鶴』に続く2作目の演出となった栗山民也は、死を以て愛を貫いた蝶々さんの世界を、舞台奥にアメリカのシンボルである星条旗がはためく空間で描いています。原作にみる西洋と東洋の主従関係が、今日の世界の構造と全く変わっていないことを暗示しています。ドラマチックな物語はイタリア・オペラの巨匠プッチーニの心に響く美しい音楽にあふれています。

ものがたり

時は明治の頃、長崎の海を望む丘の上で、アメリカ海軍士官のピンカートンは、結婚斡旋人ゴローの仲介で15歳の芸者、蝶々さんを身請けする。純情な蝶々さんに対してピンカートンは日本に滞在する間だけの軽い気持ちで結婚式を挙げ、長崎駐在のアメリカ領事シャープレスに不誠実だとたしなめられる。やがてピンカートンはアメリカに帰国、彼との間にできた3歳の息子と女中のスズキは蝶々さんと3人で彼の帰りを待ちわびている。「ある晴れた日にピンカートンはきっと帰ってくる」とその日を夢見る蝶々さんは、ゴローが新しい結婚相手を薦めても耳を貸さない。一方、シャープレスはピンカートンがアメリカで正式に結婚したことを知るが、蝶々さんにその真実を語ることができない。そして運命の時がやってくる。ピンカートンは、妻ケートをつれて長崎に降り立ち、思い出の丘の上の家を訪れるが、シャープレスから、蝶々さんが待ち続けていたことを聞き、居たたまれなくなってその場から走り去る。全てを悟った蝶々さんは、我が子をケートに渡す決断をすると、父の形見の短刀で自害して果てる。