夕鶴

  • 2010/2011シーズン
  • 2010/2011 Season Opera
    Dan Ikuma:YUZURU
    團 伊玖磨/全1幕
    【日本語上演】

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  • オペラ劇場

尾高オペラ芸術参与(次期オペラ芸術監督予定者)の任期においても、毎シーズン日本人作曲家による名作を堪能していただきます。『夕鶴』は700回以上上演されている日本オペラの不朽の名作です。2000年栗山民也(新国立劇場前演劇芸術監督)が初めてオペラ演出を手がけたプロダクションで、民話の世界から、普遍的な人間ドラマを描きだしています。「限りなく美しく、透明な舞台美術にしたい」という演出家が創りだした舞台は、能舞台をイメージしたシンプルで大きな空間。これは、つうの本当の家である“空”を表し、演出のテーマとなっています。高度な譜面考察のエキスパートとも呼べる高関健の指揮や、美しい日本語を丁寧に歌い上げる歌手陣にも、どうぞご期待ください。

ものがたり

ある雪深い村のはずれのあばら屋。貧しいが心根の優しい与ひょうは、つうという女性を女房にして暮らしている。美しくて優しいつうは、村の子供たちにも人気がある。ある日、惣どと運ずが、つうが織る見事な鶴の千羽織りを、与ひょうが売って大儲けをしているという噂話をしながら様子を伺いに来る。2人はこの千羽織りを都で売って大儲けをしようと企み、つうに布を織らせるよう与ひょうをたきつける。つうは、与ひょうが金に目がくらんでいることに気付いたが、絶対に織っている所を覗かないよう念を押して一度だけ織ることを承諾し、機屋に入る。しかし、機屋を覗いた惣どと運ずが機屋には鶴しかいないというので自分もその目で確かめる。慌ててつうを捜しまわる与ひょう。すると、機の音が止まり、機屋から出てきたつうが与ひょうに2枚の千羽織りを渡す。つうと再会できた与ひょうは喜びに泣き崩れるが、つうは機屋の中を見られてしまったのでもはや人間の姿ではいられない。夕空に鶴の姿に戻ったつうが消えていく。