新国立劇場 こどものためのオペラ劇場
ジークフリートの冒険 〜指環(ゆびわ)をとりもどせ!

  • リヒャルト・ワーグナー「ニーベルングの指環」による
    【全1幕/日本語上演】
  • 中劇場

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新国立劇場こどものためのオペラ劇場は〈児童たちに優れた生の舞台芸術を鑑賞する機会を提供することにより、芸術文化を普及して理解を深める事〉を目的として、平成16年度より開始した公演事業です。
オペラ『ジークフリートの冒険』は、ワーグナー「ニーベルングの指環」4部作をもとに三澤洋史が編曲、マティアス・フォン・シュテークマンが台本を翻案して1幕にまとめた作品です。平成16年8月の初演は大成功を収めました。
その後、本作品はヴァージョンアップされて、平成19年11月17日にウィーン国立歌劇場特設劇場において公演初日を迎え、大絶賛を博しました。そのヴァージョンアップ版を平成20年7月に新国立劇場で公演。多くの子供たちに舞台の感動を伝えることができました。平成21年度同プロダクションを再演いたします。今年も多くの子供たちにオペラの素晴らしさ、そして夢と希望と感動をお伝えできると思います。

ものがたり

サイレンが鳴って、妖怪ファフナーが暴れていることが知らされ、ワルキューレ達は現場に駆けつける。ブリュンヒルデは父ヴォータンの剣ノートゥングを無断で持ち出し、ファフナーに立ち向かうが、剣は無残にも真っ二つに折られてしまう。そこへヴォータンが現れ、ファフナーを追い払った。しかし彼は折れたノートゥングを見て激怒する。そして、恐れを知らない英雄が使って初めて力を発揮する霊剣を折った罰として、ブリュンヒルデを長い眠りにつかせ、周りを大きな炎の輪で包んでしまった。
さすらいの旅をしている英雄ジークフリートは、森の小鳥から“眠れる少女”の絵姿を見せられ、たちまち恋に落ちる。彼は少女を目覚めさせようと決心した。そして、ラインの娘たちが持つという不思議な指環を少女への愛の証として捧げるため、小鳥とともにライン川に向かう。しかし、指環はファフナーに奪われていた。落胆するジークフリートの前に、ヴォータンが現れる。ヴォータンは、愛する娘に厳しすぎる罰を与えたことを後悔していた。森の小鳥はふたりを引き合わせる。ヴォータンはジークフリートがただの若者ではないことを見抜き、霊剣ノートゥングの断片を渡す。ジークフリートは、これを熱い炎で鍛え直し、ファフナーに指環をかけた戦いを挑む。激戦の末ドラゴンに化けたファフナーを倒したジークフリートは、指環を手に眠れるブリュンヒルデの元へ急ぐ。ジークフリートのキスで目覚めたブリュンヒルデは、ジークフリートのプロポーズに応え、満ち溢れる愛に包まれて結婚式となる。ラインの指環はラインの娘達の手に戻り、ヴォータンは恐れを知らない勇敢なジークフリートに王位を譲ることを宣言。一同が希望に燃え立つカップルの誕生を祝い、争いのない新しい時代への希望に包まれる。