楽劇「ニーべルングの指環」序夜
ラインの黄金

  • 2008/2009シーズン
  • 2008/2009 Season Opera
    R.Wagner:VORABEND DAS RHEINGOLD
    R.ワーグナー/全1幕
    【ドイツ語上演/字幕付】
  • オペラ劇場

2001年3月新国立劇場初演。待望の再演です。指揮者には、新国立劇場で日本デビューを果たした、人気・実力ともに兼ね備えたダン・エッティンガー。歌手陣は、ワーグナー作品を得意としているアーティストが集結です。ヴォータン役にユッカ・ラジライネン(ザクセン州立歌劇場〈ドレスデン・ゼンパー・オペラ〉を中心に活躍)。ローゲ役にトーマス・ズンネガルド(ストックホルム王立歌劇場を中心に活躍)。アルベリヒ役にユルゲン・リン(ニュルンベルク州立歌劇場を中心に活躍)。フリッカ役は新国立劇場出演をきっかけとして、日本で実力派メゾ・ソプラノとしての確固たる地位を築いたエレナ・ツィトコーワ。世界に誇るキャストが揃いました。

ものがたり

【第1場】前奏曲に続いて幕が開く。ラインの川底。三人の乙女が「ラインの黄金」を見張る。小人アルベルヒ(Br)が声をかけると、陽光が差しこみ、黄金がきらめく。乙女たちは黄金の不思議な力話す。「愛の喜び」を断念した者だけが黄金を手にすると彼は知り、「恋愛を呪う!」と叫び、黄金をもぎ取る。
【第2場】山の頂。遠くにワルハラの城。主神ヴォータン(Br)と妻フリッカ(Ms)のもとに、美の女神フライア(S)が逃げ込む。城を建てた巨人の兄弟が、その代価として約束の彼女を求める。火の神ローゲ(T)が「美女の愛より、ラインの黄金が勝る」と彼らに話す。興味をそそられた巨人たちは、フライアと黄金を交換する気になる。主神と火の神は小人の世界に向かう。
【第3場】地下。ヴォータンたちは、アルベリヒの弟ミーメ(T)が、ラインの黄金で頭巾と指環を作ったと知る。アルベリヒは、神々に自分の宝を自慢する。頭巾の力でヒキガエルに変身した彼を神々は捕まえて、地上へと連れ去る。
【第4場】山の頂。アルベリヒは、小人たちに財宝を運ばせ、身代金とする。ヴォータンが指環までもぎ取ると、彼はそれを恨み、「指環を持つ者に死を」と呪いをかけて消える。巨人の兄弟が現れ、女神の姿を隠す量の財宝を求め、指環も要求する。ヴォータンが拒むと、智の女神エルダ(A)が出てきて、指環を捨てるよう忠告する。指環を手にした巨人たちは争い始め、弟が兄を殴り殺す。主神は指環の恐ろしさを知る。神々は虹の橋を渡って城へと向かう。川底からは乙女たちの嘆きが聞こえる。