勅使川原三郎ソロ ミロク MIROKU

  • 2007/2008シーズン
  • 2007/2008 Season Contemporary Dance
    ダンスプラネットNo.24

    新国立劇場開場10周年記念
    フェスティバル公演
  • 小劇場
  • 公演日程

    公演日程

    開場は開演の30分前です。
    予定上演時間:約1時間

    *9日(日)と14日(金)は、託児室<キッズルーム「ドレミ」>がご利用になれます。
    来場予定日の1週間前までに、下記まで電話予約。定員制。
    ■利用料金:0〜1歳2,000円・2〜12歳1,000円
    ■ご予約・お問合せ:イベント託児・マザーズ 0120−788−222
    (土日祝を除く10〜12時、13〜17時)

勅使川原三郎が久々となるソロ作品を発表。観客と近接した小劇場の舞台上に、勅使川原の小宇宙が広がります。

私は長年、詩人であり思想家の稲垣足穂から大きな影響を受けてきました。
「ミロク」は稲垣足穂の自伝的詩小説「弥勒」から発想しました。
足穂の「弥勒」は56億7千万年後に人々を救済にくるという「弥勒菩薩」を主題に、「現実と未来への宇宙的郷愁」と言ってもよい独特の宇宙観や世界観が展開します。私は自分のひとつの身体を物語と向き合わせて、集約された足穂の言葉に深く共感した事をダンスにするのみです。
「壊れやすさ(フラジャイル)において透明であって、だから美しいのだ」と書かれていますが、不確かで壊れやすいものに永遠性を感じる感覚で、ダンスする身体に共通します。随時に現れる純粋な動きを見出します。
「無限なるものを有限の方法で表したものが美である。」 ダンスとはまさにそれです。「現在とは完了しつつある未来」 私が踊る時、動く時にもっている最も大切な感覚です。
それはとても密やかな感覚レベルで身体的に持ち合わせている動きの本質だと思います。
京都、広隆寺の弥勒菩薩像を訪れた際、その極めて繊細で柔軟な動きから湧き立つ美を見た感動も、私がこの作品に向かうことになった理由になっています。時間を超えた永遠なるものが、柔和なか弱い姿になって現されていましたが、同時に極度な緊張感によって保たれているとも感じました。瞬間と永遠が和んで調和した形というのでしょうか。
この新作は久しぶりのソロ作品ですが、私なりのダンスと時間への新たな挑戦です。 
                              
勅使川原三郎