第12回五館合同特別講義が行われました!
12月12日(木)に新国立劇場にて、国立劇場・国立能楽堂・国立文楽劇場・国立劇場おきなわ・新国立劇場の研修生が一同に集まり、五館合同特別講義が行われました。オペラ研修所からは第22期生5名、バレエ研修所からは第16期生7名、演劇研修所からは第15期生15名が参加いたしました。
五館合同特別講義とは、全国にある国立劇場5館の研修生が毎年一回一堂に会し特別講義を行い、講義終了後研修生同士の交流会を行うものです。
第12回目となる今年は、日本のバレエ界を長年にわたって牽引されてきた、牧阿佐美新国立劇場バレエ研修所長を講師に迎えました。牧所長は、現役を引退後現在まで多くのバレエダンサーの育成に携わり、また振付家としても活躍を続けられ、1999年から2010年まで新国立劇場舞踊芸術監督を、2001年の開所時より新国立劇場バレエ研修所長を務めています。
講義では「良き舞台人になるために」と題して、幼少のころからのバレエ人生を振り返り、舞台人として大切な心構えなどを話してくださいました。
・自分を追い込んでいくことで、今の自分からレベルアップできる。
・指導されたことだけをやるのではなく、自分で新しい発見をしていくことが大切。発見が多い人ほど一流になっていく。
・バレエの師である母に連れられて滝行を行い、それを続けることで集中力がついた。集中力が高まると周りが見えてくる。緊張ではなく集中力が大切。
・どのジャンルにも共通して「間(ま)」が非常に大切。
・アキレス腱を切った時、1年半踊ることができなかったが、その間は振付に取り組んだ。"悩む"のではなくその時々でできることを前向きに"考えて"いく。逃げずにやり抜けば最後にはなんとかなる。
こうした舞台人としての貴重なお話に、研修生たちは熱心に聞き入っていました。
講義終了後には、研修生からたくさんの質問があり、一つひとつ丁寧に答えてくださいました。
「自分の専門以外のジャンルを知ること」についての質問には、「なるべく多くのジャンルの芸術を知ることが、後々役に立ってくる」と。また、「滝行に代わる集中力を高める方法」の質問には、「こうやったら集中力がでるというのは難しいが、嫌なことでも我慢してやっていく、自らを追い込んでいくことも大切。集中するには自分を見直して姿勢も正す」と。「「間」の感覚を養うには」という質問には、「一流の指揮者の演奏による音楽を聴いてリズム感などを養うとよい」と自身の経験に基づいた回答に研修生たちも納得の様子でした。
講義の後にはレストラン マエストロにて交流会が行われました。 現代舞台芸術・古典芸能のジャンルを超えた交流により、同じ舞台人を目指す仲間からの刺激を受け、研修生にとっては大変有意義な時間となりました。





