研修所ニュース

第15期生による自作自演作品の発表会を行いました

9月12日(木)、第15期生5名による自作自演作品の発表会を研修所スタジオ内で行いました。

 

バレエ研修所では開所以来、研修2年目の研修生を対象に"自作自演作品の創作"が、夏休みの課題として与えられています。上演時間は3分まで。研修生自身が作品のテーマやタイトルを考え、音楽を選び、振付をし、衣裳も決めます。それを自分自身が踊り、発表します。照明はスタジオでは思うようにできませんが、できる範囲でチャレンジしています。

1年目の研修生や予科生も、来年以降の自分たちと重ね、自分のことのように緊張しながらもとても楽しみにしています。

 

小さな発表会ですが、自分自身の内面と向き合い、これまでに学んだ技術を使ってどうすれば自分らしい表現ができるのか試行錯誤しながら、夏の間真剣に取り組む研修生の姿がありました。

 

自作自演作品の発表を行う15期生

 

 

岸谷沙七優は『My days』と題し、日常の場面を3分間にまとめ、毎日の自分の過ごし方を表現することに挑戦しました。松宮里々子は『memories』で、忘れたころにふと過去を振り返ってみる様々な思い出をイメージした作品を踊りました。井上興紀は『Inside』と題して、自分の心の内側を力強く表現。深い霧で包まれているように暗めの照明の中で披露しました。阿部純花は『The Ugly Duckling』で、みにくいアヒルの子をテーマに、ストーリー性のある作品創りに挑戦しました。山内優奈は『Seek』。作るからにはいいものを作りたいという強い気持ち、この4年間探し求めていたものは何かを全身で表現しました。

 



 岸谷沙七優『My days』

(Rob Simonsen「Red」「Susanna Investigates」)


 松宮里々子『memories』

(Alexander Scriabin「ピアノ・ソナタ 第4番 第1楽章」)

 井上興紀『Inside』

(Max Richter「Infra6」「Three worlds, music from woolf works」)




 阿部純花『The Ugly Duckling』

(Ludovico Einaudi「Fly」)

 山内優奈『Seek』

(George Winston「Muted Dream」)



 


 

発表後、各講師からアドバイス

 

 

5名の作品発表後、牧所長をはじめ、各講師や見学されていた方から講評をいただきました。「初めての振付としてはとてもよくできている」「踊りもとてもきれいにできていた」「それぞれの個性がよく出ていた」と評価しながらも、「踊りと踊りのつなぎの間を考えるともっと作品が映えてくる」「伸ばした手の先に何が見えているのかというところまで表現してもらいたい」「メッセージ性をもっと考えてみてほしい」など貴重なアドヴァイスもいただきました。

 

5名にとっては、あらためて"表現すること"を探求していくなかで、その楽しさとともに創作の難しさや自己の課題につながるよい機会となりました。今回の発表で終わらせることなく、いただいたアドヴァイスを糧にして、もっと作品を掘り下げ、自分自身の言葉で表現できるように探求しつづけます。