軽妙洒脱なストーリー展開と声の妙技が楽しいロッシーニ随一の人気作にして、オペラ・ブッファ(喜劇)の最高傑作。美しく軽快な序曲からワクワクと胸弾み、「私は町のなんでも屋」「今の歌声は」などおなじみのナンバーにのせてコミカルでスパイスの効いた恋の物語が繰り広げられます。05年に初演されたケップリンガーによる演出は、カラフルでポップ、そしてユーモアとウィットに溢れ、抱腹絶倒をお約束します。2012年最後のオペラは、新国立劇場「セビリアの理髪師」で心から楽しいひと時をお過ごしください。
アルマヴィーヴァ伯爵を歌うのは、ブラジル出身の若手ボテリョ。07年にヨーロッパ・デビューし、瞬く間に世界のひのき舞台へ飛び出したベルカント・テノールの新星です。ロジーナ役のコンスタンティネスクは、ウィーン国立歌劇場のメンバーとして活躍した後、各地の歌劇場で人気急上昇中の注目のメッゾ・ソプラノ。新国立劇場への登場が待ち望まれるイェニス、世界最高のバルトロ歌いプラティコら実力派歌手陣が揃いました。09年「蝶々夫人」で絶賛された指揮者モンタナーロが作り出すロッシーニ・クレッシェンドにもご期待ください。
好青年アルマヴィーヴァ伯爵は、町一番の美人ロジーナに一目惚れ。しかし、財産目当てでご執心の後見人バルトロのせいで、ロジーナはアプローチ不可能の箱入り娘状態。そこで伯爵は、お金さえもらえれば散髪から身の上相談、恋の仲介、手紙の代筆まで何でもする町の便利屋のフィガロに助けを求める。あの手この手でバルトロ家に侵入し、伯爵の想いはロジーナに伝えられるが、大混乱を巻き起こす。フィガロの機転でピンチを脱し、すったもんだの末ハッピーエンドで幕となる。