オスカー・ワイルドの耽美的、頽廃的な戯曲を、リヒャルト・シュトラウスが官能的な極彩色の音楽で染め上げた衝撃作。1905年にドレスデンで初演されるや衝撃と賞賛を呼び、R.シュトラウスは本作品でオペラ作曲家としての名声を確立しました。そのスキャンダラスな内容から、その後も各地で上演禁止の措置を招きましたが、現在では世界中で上演されている人気オペラのひとつです。全1幕の舞台には、豊麗で甘美な旋律と大胆な不協和音が凝縮されており、緊張感溢れる濃密なドラマに息をつく暇もありません。なかでも、有名な「7つのヴェールの踊り」は官能美に満ちた見せ場。故エファーディングによるプロダクションはバイエルン州立歌劇場の作品で、迫力と妖しさが漂う秀作です。
タイトルロールを歌うエリカ・ズンネガルドは、2004年センセーショナルにオペラデビューし、今やウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場など世界の一流歌劇場で活躍する大型ソプラノ。特にサロメ役は、ミュンヘン、バルセロナ、ボローニャ等で歌っている得意役で、新たなサロメ歌いとして世界の歌劇場から熱い視線を浴びています。ワーグナー、R.シュトラウス作品を中心に欧米で目覚ましい活躍をしている注目のテノール、スコット・マックアリスターがヘロデ役で新国立劇場初登場となります。ヘロディアスには大物ベテラン、ハンナ・シュヴァルツ、ヨハナーンには前回の「サロメ」でも同役を好演したジョン・ヴェーグナーと、実力派を迎えました。
尾高に代わって急遽指揮に迎えたのは、大ベテランのラルフ・ヴァイケルト。70年代より常に世界の一流歌劇場、オーケストラで活躍し続けている実力派指揮者が、新国立劇場初登場となります。
紀元30年頃、イェルサレム王ヘロデの宮殿。ヘロデの寵愛を一身に受ける義理の娘サロメは、庭の古井戸に幽閉されている預言者ヨハナーンに関心を持ち、衛兵隊長ナラボートに連れ出すよう命ずる。ヨハナーンは、サロメにキスを求められるが、拒否して古井戸に戻る。ヘロデに何でも望みの褒美を与えると舞をせがまれたサロメは、7つのヴェールを裸身にまとい、妖艶な踊りを披露する。舞い終えたサロメが要求した褒美は、ヨハナーンの首だった。
東京都渋谷区にある新国立劇場は、京王新線「初台駅」から直結!「新宿駅」から1駅です。
新国立劇場 〒151-0071 東京都渋谷区本町1丁目1番1号 TEL : 03-5351-3011(代表)アクセスの詳細はこちら