最新ニュース一覧 http://wptest.vital-service.com/wagamachi/info/news Just another Www.atre.jp site Mon, 24 Jan 2011 07:35:00 +0000 ja hourly 1 http://wordpress.org/?v=3.5.1 上演時間のお知らせ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/186/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/186/#comments Mon, 24 Jan 2011 06:40:00 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=186 上演時間は以下の予定です。

  1幕・2幕  1時間55分

    (休憩  20分)

  3幕         55分
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  合計     3時間10分

皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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演出・宮田慶子からお客様へ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/234/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/234/#comments Sat, 22 Jan 2011 01:00:46 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=234 「JAPAN MEETS…」シリーズ三作目「わが町」は、おかげさまで多くのご好評、ご声援をいただきながら、公演期間の後半に折り返しました。
ほとんどセットのない空間ながら、中劇場の広い舞台面を余すところなく伸び伸びと展開する、なつかしさと愛おしさにあふれるドラマは、忘れかけていた大切なものと、生きていく人間の真実の姿を見せてくれます。
出演者ひとりひとりの生き生きとした瞬間を、稲本響さんの透明感あふれるピアノの音色がつないで、豊かな世界を作り上げています。
「胸がいっぱいで言葉にならない…」「どの瞬間も大切に思える」「こんなに素敵な芝居だったんだ!」などなど、観終わったお客様からメッセージをいただくたびに、この舞台をお届けできる幸せを感じます。
まだご覧になっていない方は、ぜひぜひお見逃しなく!! お待ちしております。

宮田慶子(「わが町」演出/新国立劇場演劇芸術監督)

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新国立劇場に「わが町」出現。盛り上がる劇場、絶賛の声! https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/219/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/219/#comments Fri, 21 Jan 2011 14:05:43 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=219 2011年のスタートを飾る、宮田慶子演劇芸術監督の演出による「わが町」が1月13日(木)に開幕し、一週間が経ちました。ご好評をいただいている本公演の劇場の盛り上がりをご紹介します。

新国立劇場の正面玄関をくぐると「わが町」の舞台、アメリカの片田舎「グローヴァーズ・コーナーズ」の花看板がお客様をお出迎え。花看板を照らす可憐な灯りが今回の「わが町」の雰囲気を醸し出しています。

中劇場ホワイエに足を踏み入れると、物販コーナーでは、今シーズンの[JAPAN MEETS-現代劇の系譜をひもとく-]の新訳戯曲が掲載された『悲劇喜劇』を販売しています。水谷八也さんが本公演のために新たに翻訳した「わが町」の戯曲は同誌1月号に掲載。休憩中、終演後には舞台の感動を再び味わおうと、多くのお客様がお買い求めくださっています。また、新国立劇場オリジナルグッズなども多数取り揃えています。

ホワイエをさらに奥に進むと、突き当たりにあるのがブッフェカウンター。この公演のために用意されたアメリカンテイストあふれる色鮮やかなレモネード(アルコール入り)や、スパイシーチリドッグをご用意しました。小腹が減ったときにちょうどいいチリドッグは、数に限りがありますのでお早目にどうぞ。

「わが町」の千秋楽は1月29日(土)。ちょうど中日(なかび)を迎えラストスパートに入った今、良いお席は残りわずかです。ぜひ今のうちにお求めください。

なお、朝10時より新国立劇場ならではの当日券Z席(1500円)を販売しております(新国立劇場ボックスオフィス窓口でのみ販売。1人1枚。電話予約不可)。多少舞台の見えづらいお席ではございますが、気軽にご観劇いただけると好評です。

皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。

◆チケットに関するお問い合わせ・お申し込み
  新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
  新国立劇場Webボックスオフィス http://pia.jp/nntt/ (PC&携帯)
◆チケットのお求め方法はこちら
◆「わが町」ご観劇のお客様の声はこちら

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メディア掲載・出演情報(1/18更新) https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/114/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/114/#comments Tue, 18 Jan 2011 01:00:09 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=114 『わが町』出演者・スタッフの、メディア掲載・出演情報をお知らせいたします。

<新聞>
◎「産経新聞」 1月15日
 斉藤由貴 (インタビュー“「絶対」に挑んだ名作 世界や人生を俯瞰”
◎「毎日新聞」 1月12日夕刊
 宮田慶子 (インタビュー“混迷の時代に大きな意味”
◎「読売新聞」 1月12日夕刊
 小堺一機 (インタビュー。YOMIURI ONLINEから、「新国立劇場 わが町」で記事検索)
◎「サンケイエクスプレス」 1月8日
 小堺一機、斉藤由貴 (インタビュー“翻訳劇に親しみをもってもらえれば”“「絶対」に挑んだ作品です”
◎「しんぶん赤旗 日曜版」 12月19日号
 小堺一機 (“ひとインタビュー”)

<雑誌>
◎「週刊文春」 2011年1月13日号
 小堺一機 (“この人のスケジュール表”インタビュー)
◎「家庭画報」 2011年2月号
 小堺一機 (“遊んで学ぶアクティブレスト”インタビュー)
◎「シアターガイド」 2011年2月号
 佃井皆美 (“気になるあの人”インタビュー)
◎「モーストリー・クラシック」 2011年2月号
 宮田慶子・稲本響 (インタビュー)
◎「BEST STAGE」 2011年1月号
 中村倫也 (インタビュー、グラビア)

<ウェブサイト>
「げきぴあ」よこやまのステージ千一夜 1月17日掲載開始 New!
 観劇レポート “新国立劇場演劇「わが町」を観てきました”
「おけぴネット」観劇感激レポ 12月28日掲載開始
 稽古場レポート “10/12/23「わが町」稽古場レポ”
「@ぴあ」エンタメニュース(演劇) 12月24日掲載開始
 稽古場レポート “老若男女34名のキャストが描き出す、何気ない日常にある幸せ”
「演劇ライフ」 12月9日掲載開始
 小堺一機 (“私のターニングポイント”ロングインタビュー)

<テレビ>
◎TBSテレビ「Boot!」 12月13日(月)、14日(火)、15日(水)、17日(金)、18日(土)各日深夜放送
 稽古風景の紹介と出演者コメント
◎TBSテレビ「はなまるマーケット」 12月9日(木)放送
 斉藤由貴 (“はなまるカフェ”ゲスト出演。稽古風景の紹介もあります)

★下記プレイガイドのウェブサイトより、動画による出演者のコメントをご覧になることができます。
 (小堺一機&斉藤由貴、鷲尾真知子&相島一之、佃井皆美&中村倫也)
チケットぴあ (画面右側[関連情報]より)
イープラス

 

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“「わが町」上演記念エッセイ募集”優秀作品発表 https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/190/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/190/#comments Thu, 13 Jan 2011 10:50:05 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=190 新国立劇場では、「わが町」を上演するに当たり、「あなたにとってかけがえのない日常とは」というテーマでエッセイを募集いたしました。今回の舞台とも通じる、“何げないけれどあなたにとって大切な日常のひとこま”を200字程度のエッセイに綴っていただくというものです。
その結果、全国の皆様より実に300編を超える多くの力作が寄せられました。ご家族との毎日や、お住まいの町の風景、ご趣味に励む姿など、様々な“何げない日常”を送っていただきました。
この度、「わが町」出演者の小堺一機さん、斉藤由貴さん、演出の宮田慶子の審査により、次の10編が優秀作品に選ばれました。ご応募くださいました皆様に心より感謝申し上げるとともに、ここに優秀作品を発表させていただきます。(順不同、敬称略)

岡部 達美 (東京都)

この春、兄が一人暮らしを始めた。兄の椅子がポツンとひとつ。家が広くなった。洗濯物が減った。父が、おとなしい。反面、母が、以前より忙しくしている。あんなにけんかばかりしていた私も、最近、けんか相手がいなくて、どうも変だ。たった一人いないだけで、こうも空気が違うものか。ぶつかり合い、喜び合い、悲しみ合う。そんな日常の一コマ一コマが、案外、尊い出来事なのではないかと、昨今しみじみ感じている。

小澤 和夫 (兵庫県)

自宅の近くにお地蔵さんを祭った小さな祠がある。前を通ると、立ち止まって合掌する。物心ついた幼い頃からの習慣である。
特段、何かをお願いするわけではない。
ただ目を閉じて手を合わせる。それだけで心が落ちつく。
幾人ものひとが、立ち止まって合掌する。
順番を待っている人がいれば、軽く会釈する。お互いに微笑みが何げなく生まれる。
祠に合掌する。このことが、かけがえのない大切な日々を今日もまた育んでいく。

川崎 利明 (神奈川県)

私の息子は高校2年生である。不幸な出来事により、中学生の時から車椅子で授業を受けている。通っている学校は、バリヤフリーではないので、通学だけではなく、教室移動や体育があると親のサポートが必要になる。平日は妻が、土曜は私が学校を訪れている。親としては、息子の不遇をどうにもできないが、親として出来るだけのことを行っている。こうして、日々息子と共に行動することで、息子の頑張りや成長を直に触れることができる。「よくやった!」と思える出来事もある。小さな出来事ではあるが、私たちの1日1日を確かなものにしてくれている。

木村 理紗子 (奈良県)

玄関の扉を開き中へ入る。台所からはいつもの「おかえりー。」という声。部活で疲れきった私は、制服のまま寝転がる。台所から聞こえる、包丁がまな板に一定のリズムであたる音を聞きながら静かに眠りにつく。目覚めた時には、テーブルに温かい夕食が並べられている。今日の出来事をしつこく聞いてくる母に対して、面倒臭いなーと思いながらも少し嬉しい自分がいる。そんなありふれた毎日が、私にとってはかけがえのない毎日である。

柴田 和也 (福岡県)

家族みんなで食べるケーキはまた格別です。妻はいつだって自分のショートケーキの苺を、長女にあげてしまいます。次女が二歳になって、ケーキを丸ごと一つ食べられるようになりました。今では食卓に四つのショートケーキが並べられ、妻の苺は上の娘へ。僕の苺は下の娘へ。メインの苺が乗っていないショートケーキなのですが、ようやく妻と同じものが食べられるのが何だか嬉しくて、それはまた特別に美味しいと思えるのでした。

竹上 裕子 (愛知県)

いつもの朝がやってくる。ビルの谷間から差し込む朝日が店の前の道路を輝かせる。主人の作る豆腐が白い湯気を立てて型箱の中に流し込まれる。重石をかけた手を止めることなく次の豆乳ににがりを流し込む。八十になった祖母の手はふっくらとしてつやがある。その手はかりっとした飛竜頭やもっちりとした生揚げを作っている。長男の朝食はその生揚げに醤油をかけて刻み葱だ。

帖佐 綾子 (鹿児島県)

朝起きて、お母さんと、じいちゃん、ばあちゃんに会うと、ほっとする。うれしくなる。
そして、父と会うのは、もっと別な場所。たまに開くGEM(ジェム)。三省堂のポケット辞書だ。私が生まれる三ヶ月前に亡くなった父。小刀で削った赤鉛筆で、線を引くのが大好きだったそうだ。先日、「スパイラル」の意味が気になった。spiral(エスピーアイアールエーエル)。ページをめくると、既に、おきまりの赤鉛筆で塗りつぶされていた。父に会えて、私は、うれしくなる。

宮本 瑠吏子 (東京都)

「一生幸せにします。」「ありがとう。じゃあ、わたしは一生元気いっぱいに『行ってらっしゃい』と『お帰り』を贈るね。」時には喧嘩をして、顔をそむけたままお見送り。時にはうたた寝してしまい、寝顔でのお出迎え。仕事で嫌なことがあっても、対人関係でイライラしても、満員電車にうんざりしても、「今日も1日がんばろう」「家が一番ほっとする」と思って欲しくて始めたこと。今日も夕飯を作っている時に「ピンポーン」。チャイムの鳴らし方ひとつでも、今日は疲れているな…とか今日は良いことあったのかな…がわかるんだよ。今日はついうっかり、片手におたまを持ったままで「おかえり!!」

山田 和彦 (愛知県)

町外れの丘から眺めると、小さな池を囲むように遊歩道がある。
「祖父ちゃん。季節の缶詰めあるといいね」
孫娘が私に言った。確かに季節には匂いがある。
春は堆肥と若草、夏の夕暮れには蚊取り線香と麻蚊帳のひなびた匂い、秋には七輪で焼く秋刀魚、冬には土壺で焼いたさつま芋の匂い。これら子供のとき五感にしみ込んだ匂いだ。
季節の匂いも時代とともに変化している。変わらないのは隣の庭から漂う金木犀の香りのおすそ分けだ。

山本 由美子 (大阪府)

八十路の両親を訪ね、一緒に買い物してランチ。デーサービスの出来事をさんざ聞いて、母の塗り絵等の作品に見入る。デーサービスで負け知らずの父と真剣にオセロをする。母がおやつを出してくれる。夕食の用意を手伝い、帰り際に三人で次の予定を立てる。温泉、旅行、病院、デパート・・。「気をつけてね」と両親が丸くなった背と遅い歩みで送り出してくれる。こんな風景が両親の晩年を埋めていく。六十年の親子関係で、最もいとおしい心の通いを感じる今。明日も明後日もこんな日が続きますように。何もない、何も起こらない幸せを反芻して家路に向かう。

]]> https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/190/feed/ 0 稽古見学&プレトークイベント開催 https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/152/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/152/#comments Wed, 15 Dec 2010 09:38:55 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=152 1月の「わが町」公演開幕まであと1か月となった12月14日に、稽古見学&プレトークが開催されました。
このイベントは「わが町」公演をより深く理解し、楽しんでいただくための催しで、300名を越えるお申し込みがありました。

まず、中劇場客席で、舞台稽古の様子を見学いただき、なかなか見ることができない制作現場に触れていただきました。稽古終了後には、出演者を代表して小堺一機さんからのご挨拶があり、本番への期待がいっそう高まりました。

引き続き、今回の『わが町』の翻訳を担当した水谷八也さんに、演劇史的な視点からワイルダーの作劇についてご講義いただきました。

シェイクスピアが活躍したエリザベス朝や、中世期の演劇にまでさかのぼって、「『わが町』は何もないところで誰にも当てはまる物語を描くことで、大きな視点から見た自分の存在の意味を問うているのです」といったお話に、参加者は深く感心された様子で聞き入っていました。

イベント終了後には参加者は、「作品の背景がよくわかった」、「舞台が綿密な準備で作り上げられていく現場を見ることが出来たのはまたとない機会だった」、「本番の舞台が楽しみ」などと感想を述べ、早速チケットをお求めになっていました。

※水谷八也さんのシリーズ「水曜ワイルダー約1000字劇場」は⇒こちら

「わが町」作品について講義する水谷八也さん

 

ご参加のみなさまが熱心に聞き入りました

 

総勢34名の出演者に、演出・宮田慶子の細かい指示が出される舞台稽古の様子

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小堺一機さんのインタビューを掲載しました。 https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/129/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/129/#comments Mon, 06 Dec 2010 03:19:20 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=129 アメリカ北部の平凡な町を舞台に人々の生活とその移り変わりを繊細に描くソーントン・ワイルダーの『わが町』。「死」をも踏まえたその切り口は、日常のなんでもない会話やできごとを、切ないほど輝かしい瞬間として舞台によみがえらせる。広い視点と温かみを兼ね備えた語り口で舞台を進行させ、観客を町へと案内するのは舞台監督役の小堺一機。ドラマ性を抑えた演技の難しさに触れつつも、早くも「わが町」への愛をヒシヒシと感じさせるその語り口は、まさにこの舞台と観客をつなぐガイドのそれだった。

インタビュアー◎鈴木理映子(演劇ライター)

会報誌The Atre11月号掲載

 

人間としての「経験」が出ちゃう芝居。でもそうじゃないと。

 

――『わが町』という作品に触れられるのは客席・舞台上を問わず、これが初めてなんですね。

 以前からワイルダーさんの「匂い」のようなものは知ってたんですけどね。要するに特別なできごとがあるわけでもなく、まるで日記のような内容で、思い入れがあるかと思うと急にふっと客観的になったりするというような……。シェイクスピアだとかカフカみたいに「優等生じゃないと分からないでしょ」って感じはしないんです。

ただ、実際やるとなると、これがすごく難しい。ドラマティックじゃないからオーバーな演技は絶対できないし、どうしようかと。入学させといてシゴく学校、みたいです(笑)。

―― 一番の課題はどんなところになりそうですか。

 この戯曲ってステーキの国の人が書いたとは思えないくらい淡白で、すごく抑制が効いているんですよね。ここでもっと泣かせちゃえばいいのにってところで寸止めしちゃうし、途中で舞台監督が「ここで何年か飛ばします」みたいなことを差し挟んだり。だから演じる方にはアクセルの踏みどころが与えられていないんですよね。車で言うなら100kmで全力疾走したいけどいつも60kmを走ってなきゃいけないみたいな感じがします(笑)。また、なんでもないようなせりふにも、その一文字一文字がまるで立体になっているような奥行きがありますからね。これをどう伝えるかという大変さもあります。

  一幕のはじめの方に新聞配達の男の子が出てくるんですが、そこでやっぱり舞台監督が「今の子はすごく優秀で、将来いい大学を出るんだけど、戦争で亡くなってちゃって……」っていうような紹介をするんですね。僕はそこに出てくる「あれだけの教育も全部、消えてしまった」ってせりふが好きで。さりげなくポッと言われるその瞬間に一本の映画が撮れそうな内容が詰まっている。すごく出汁が利いていますよね。テレビドラマ版の舞台監督役のポール・ニューマンさんは、まるでなんにもしてないみたいに淡々とした演技をしていました。だけどそれは演技以前にその人が人間として何を見てどう感じてきたかという経験が出ちゃう方法で、実はとっても難しいんです。でも確かにこのお芝居こそ、そういう経験が出てこなくちゃつまらないとも僕は思います。

――舞台上で演じられる「経験」と演じ手自身の積み重ねてきた経験が一緒になって、さらに本番では、お客様の人生とも出会っていくんですね。

 演技も大げさじゃないし、暑くもなく寒くもなく、爆笑じゃないけど笑えるし、号泣じゃないけどちょっとグッとくる芝居というのは、観ていて気持ちいいと思いますよ。登場する町の人たちの年齢幅もあるので、若い人は「あぁそうか、いずれは自分も結婚したり、子どもを持ったりして、死んでいくんだ」と思うでしょうし、僕くらいの年齢より上の人たちは「そうなんだよ、人生ってね。アメリカでも同じだなぁ」なんて思ったりするかもしれない。それと、この舞台は舞台装置がないですから。ないことの自由さも楽しんでいただけると思います。

僕の体験でいうと一人しゃべりで面白かったバカ話をコントにすると色がさめることがあるんです。「この前電車の中で変なおばさんがいて」って話だけを聞くと、毛皮着てるおばさんを想像する人もいれば、もっとお気楽な格好の人を思い浮かべる人もいるんだけど、それを具体的に目に見える役柄にしちゃうと「あれ?」って。でも今回は町の様子からして「向こうが線路で……」と言葉で言うだけですから、想像できる楽しみがある。小道具もほとんどないんですよ。そのぶん役者も裸にされちゃうというか、またしても力量を問われちゃうんですけど。

この町をよく知って、愛して。僕の役目はそこからです。

――舞台監督役は進行を担うこともあり、作家のワイルダーにもっとも近い存在だと言われているようです。

 面白い役ですよね。登場人物の一人に変身して店のおじさんの役をやったりもするし。出演者なんだけど、お客様とのあいだにも立つ客観的な人。それも例えば「街を見守るエンジェル」みたいなものとは違うんですよ。「こんにちは」って出てきて「この舞台の制作は新国立劇場、演出は宮田慶子……」なんて言うんです。僕はそれがちょっとおっかなくて。だってこれアメリカの話でしょう。なのに僕はそこで「なんなのこれ?」とかじゃなくて、「あれ、なんか面白いな」って思ってもらわないといけないんですよね。このことを考えるたびに、毎晩辛い気持ちになります(笑)。ただ、ここに限らず、せりふって自分が言うんじゃなく言わせてもらうものですから。例えば手を握るシーンがあったとして、どうして握るかというとそれは、相手の人に握りたくさせてもらっているから。そう思えば気持ちは楽になります。確かに今回は案内役でもあるので「相手」と呼べる人はいない。でもよくよく考えたら舞台全体にせりふを言わせてもらうことはできるんじゃないかな。

――まずは「わが町」を知った上で案内役になるわけですね。

 そう。舞台監督はこの町のことをすごくよく知ってて、愛している人なんですから。彼は毎日の生活の「朝のパン、おいしかったな」ってくらいのことがいかに素敵なことかも全部知っていて、同時にみんながそれに気がついていないことも分かってる。でもだからって「分かってないな」って突き放すわけでもなくて「そうなんですよね、こうやって生きていくんです、人ってね」って、なんだか手の中でヒヨコをあっためているような感じでこの世界を見ているんだと思います。その視線がいちばん最後の「おやすみなさい」ってせりふになり、「じゃあ、あとは帰り道やおうちで考えてみてください」っていうふうな空気につながるんですね。僕イソップの「北風と太陽」の話が好きなんですけど、それを思い出しました。風を吹かせて無理やり旅人の服を脱がせようとするんじゃなく、太陽がぽかぽかあたためると自然に脱いでくれるっていう……この本も似てますよね。そんなに主張はしていないように見えて、実はすごく人に影響を与えているんです。

 
 

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「わが町」上演記念 エッセイ募集のお知らせ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/71/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/71/#comments Wed, 10 Nov 2010 10:13:30 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=71 *募集は締め切りました。たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。

新国立劇場では、「わが町」を上演するに当たり、皆様よりエッセイを募集いたします。
アメリカの劇作家、ソーントン・ワイルダーによって1938年に書かれた「わが町」は、その年のピュリッツァー賞を受賞し、今でも広く世界中で愛され上演され続けている名作です。

“ふつう”の町に暮らす“ふつう”の人々の、ありふれた日常のかけがえのない価値を問いかける物語。
小堺一機・斉藤由貴ら多彩な実力派の俳優陣と稲本響のピアノ生演奏が、切なくも心あたたまる舞台を創り上げます。

そこで、「あなたにとってかけがえのない日常とは」というテーマで、エッセイを募集いたします。
何げないけれどあなたにとって大切な日常のひとこまを、200字程度のエッセイに綴ってお寄せください。

審査には、新国立劇場演劇芸術監督であり「わが町」の演出を担当する宮田慶子、物語を進行する舞台監督役を務める小堺一機、心優しい母親ギブズ夫人を演じる斉藤由貴の3名が当たります。

皆様からのご応募をお待ちしております。

 

≪募集要項≫

テーマ:
「あなたにとってかけがえのない日常とは」

応募資格:
どなたでも応募できます。

応募規定:
テーマに沿った内容のエッセイを200字程度でお寄せください。(書式は問いません)

応募方法:
①インターネット
 下記のEメールアドレス宛てに、住所、氏名、年齢、電話番号を本文内に明記のうえ、Eメールにてご応募ください。
 【Eメールアドレス】 j-event@nntt.jac.go.jp

②郵送
 下記の応募先に、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、郵送にてご応募ください。
 【応募先】 〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 新国立劇場制作部演劇 「わが町」エッセイ募集係

応募締切:
2011年1月5日(水)

作品発表:
優秀作品数点を、「わが町」公演初日の2011年1月13日(木)に新国立劇場ホームページ上で発表します。また、入賞者には記念品の発送をもって、受賞をご連絡させていただきます。

審査員:
宮田慶子(新国立劇場演劇芸術監督、「わが町」演出家)
小堺一機(俳優、「わが町」出演者)
斉藤由貴(俳優、「わが町」出演者)

賞品:
記念品

注意事項:
・自作の未発表・未投稿作品に限ります。
・応募作品は返却いたしません。
・応募作品の著作権は、財団法人新国立劇場運営財団に帰属します。
・収集した個人情報は、エッセイ募集事業の運営及び当財団からのご案内のみに使用します。
・優秀作品発表の際は、当該エッセイの応募者の氏名・住所(都道府県名のみ)を表記させていただきます。

お問い合わせ先:
財団法人新国立劇場運営財団 03-5351-3011(代表)

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対談 水谷八也(翻訳)×宮田慶子(演出)を掲載しました。 https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/53/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/53/#comments Mon, 08 Nov 2010 03:17:52 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=53 日本の演劇史に大きな影響を与えた海外戯曲を新訳・新演出で上演、私たちの「現在」を見つめる[JAPAN MEETS…]シリーズ。
その第三弾はソーントン・ワイルダーの「わが町」だ。日常生活の些細なできごとや喜怒哀楽を丁寧に描き、その瞬間瞬間を唯一無二のものとして輝かせるこの名作を、今、どう舞台に立体化するか。
演出家・宮田慶子とワイルダー研究者でもある翻訳家・水谷八也が、上演に向けた夢と期待を大いに語る。

進行・文◎鈴木理映子(演劇ライター)

会報誌The Atre10月号掲載

 

「演劇の力」を知る感動

 

――[JAPAN MEETS…]シリーズにこの作品を選んだ理由、その魅力はどんなところにあるのでしょう。

 

宮田 「わが町」は、しっかりした舞台装置が主流だった時代に、何もない空間に舞台を設定し「それでもドラマは成立する」ってことを見せた作品です。そこには「演劇の力」を見直し、取り戻すための問いかけがある。もちろん日本の演劇史にとって重要な作品は今回[JAPAN MEETS…]シリーズで取り上げた4作品以外にもありますが、なかでも観客の皆さんに親しく接していただけるものとなると、やはり「わが町」ははずせなかったですね。セットだけじゃなく、王様もお姫様も登場せず、国と国の争いも、ドロドロの愛憎もない。あたりまえの市井の人の一生を淡々と追っただけなのに、こんなに笑って、泣いて、感動できるんですから。

水谷 ワイルダーの作品は演劇の原点ともいえる力を持っていますからね。近代の演劇は「あなたと私」のような横の関係を主に描くけど、たとえばシェイクスピアの直前までは宗教劇ばかりだったから、「世界と私」「宇宙と私」「神と私」という縦軸を描く芝居が多かった。ワイルダーは近代の「個」をめぐるだけの芝居や上演法に満足していなかったので、結果として、彼の芝居は近代以前の演劇のあり方と重なる部分が多いんです。

宮田 新しい手法なんだけど、古いものの力強さを再認識させますよね。

水谷 そう。またそういう視点や上演法は、岡田利規や前田司郎、柴幸男といった現代の若い演劇人ともどこか共通している気がします。そもそも今の時代って混沌としていて、誰もが共有できる基準がないから、みんな「今、自分たちはどこにいるのか」っていう俯瞰の視点に関心を持つんじゃないでしょうか。ワイルダーはそういう気持ちにも、ストレートに答えてくれますね。

宮田 確かに、この作品のどこに私たちが涙するかというと、それはやっぱり自分の立ち位置を考えさせてくれるからですよね。単なる郷愁じゃなく「今お前はどこにいるんだ」ってことを突きつけられる感動。で、素直にそれを「みんなで考えよう」と思うと、なんだか嬉しくなっちゃうんです。

ワイルダーの頭の中は?

 

――上演に向けて準備を進めるなかで、改めて発見されたこと、演出に生かしたいことはありますか。

 

宮田 1幕と2幕では子供が自立していくときの親との葛藤だとか、初めての恋だとかっていう、誰もが思い当たる普通の生活が丁寧に描かれていて、3幕ではそれを死者の立場から眺め、大きな宇宙の中でのわれわれの小さな営み、その愛おしさを分からせてくれる。1、2幕の丁寧さがあるからこその3幕の感動があるという構造はまず踏まえておきたいです。
 また今回はマンスリー・プロジェクトで同じワイルダーの「三分間劇場」(*)のリーディングを聞いていただくこともあって、私自身も水谷さんにレクチャーを受けているんですが、そうこうするうちに、ワイルダーの頭の中は想像以上にぐちゃぐちゃだった、ということが分かってきまして……。

水谷 子どものころから夢想癖が強くて、それに手紙魔で、多いときには1日25通も書いていたんですが、言葉が想いについていかないんですね。そんな手紙は字も汚いし、スペリングや文法も無視なんです。お母さんに「あの子は英語が下手で」って言われてた。想像で頭がいっぱいになっちゃってたんでしょうね。

宮田 だから、絵を描くように文字を書いていたんじゃないかって気がしたんですよね。彼の頭の中には天も地もないようなすごくスケールの大きい絵があって、それを写すように戯曲を書いていたんじゃないか。死者ばかりが出てくる「わが町」の3幕も、演劇的な仕掛けという以前に、彼にとっては当たり前の世界だったのかもしれない。となれば、せっかく上演するんですから、今回はそんなワイルダーの本質もふっと感じさせるようにしたいです。

観劇後の「夜の時間」に

 

――この戯曲の冒頭には「幕なし。舞台装置も一切ない」と書かれています。でもお話を聞いていると、その分やるべきことことは多いようです。

 

宮田 そうなんです。「ないからこそできること」が「わが町」の凄さでもあって。何もないからこそ、その空間は家の中にも、道端にも、墓場にもなる。

水谷 シェイクスピア劇だってもとはそうだし、能や狂言だって舞台上には何もないですから。でも、この作品、1938年にボストンで試演をしたときに、州知事夫人が途中で席を立って帰っちゃったんですよ。「私たちは劇場のうしろの壁を観にきたわけじゃない」って。

宮田 (笑)。私は、演劇の力は空間を埋める力だとも思っていて。今回は稲本響さんにピアノの生演奏で入っていただくんですけど、それも劇伴音楽じゃなくて、まるで登場人物のように、そこに音が存在してほしいと思ったからなんです。情緒ではなく、風みたいな存在として空間や俳優と対話してほしい。またそこで大変な神経を使って出された音を俳優たちが受け取って、同じような繊細さで言葉を発してくれたら……っていうコラボレーションも夢見ているんです。

水谷 あぁ、イメージが湧いてきた。ほんと、音ひとつ、言葉ひとつが大切に生かされる場面がたくさんあるといいですねぇ。

――見かけも扱っているテーマもシンプルですが、深く豊かな世界を持った作品になりそうです。

水谷 ワイルダーは夜の時間が好きで、他の芝居では夜の時間に哲学者の言葉を語らせてるほどです。「わが町」が星空の下の「おやすみなさい」という言葉で終わるのも、やっぱり思索的な時間を観客と共有したいっていう彼の気持ちの表れだと思う。だからただ「あー泣いちゃった」というんじゃなく、その感動がどこから来てるのか、その質について、家に帰ってからも、夜の時間にじっくり考える、なんてことがあればいいですよね。

宮田 まさしく。今回の[JAPAN MEETS…]で取り上げているのはどれも、そんなふうに考えてほしい戯曲。「わが町」もボディーブローのように利く作品になるはずです。

*ワイルダーの初の戯曲集(1928年)に収録されている16編の戯曲で、いずれも登場人物は3人、上演時間は約3分。2011年1月のマンスリー・プロジェクトの講座(講師:水谷八也)内でその一部を紹介する。

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演劇「わが町」特設サイト オープン! https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/40/ https://www.nntt.jac.go.jp/wagamachi/info/news/40/#comments Thu, 04 Nov 2010 02:01:25 +0000 news http://www.atre.jp/wagamachi/info/news/?p=40 2011年新春、新国立劇場で上演、ソーントン・ワイルダーの名作「わが町」!
特設サイトがオープンいたしました。

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