OPUS/作品

  • 2013/2014シーズン
  • [日本初演]
    Try ・Angle ─三人の演出家の視点─ Vol.1


    座席表↓
  • 小劇場

2013年9月公演

作:マイケル・ホリンガー
翻訳:平川大作
演出:小川絵梨子

出演:段田安則  相島一之  加藤虎ノ介  伊勢佳世  近藤芳正

2013/2014シーズンの幕開けを飾るのは、新進の演出家として、今演劇界の熱い視線を集める女性演出家・小川絵梨子による『OPUS/作品』(オーパス)。「30代の演出家の現在の視点のあり方を、お客様とともに見つめたい」と宮田慶子芸術監督が企画したシリーズ第一弾として上演します。
06年にアメリカで初演された本作は、弦楽カルテットの4人の男性を中心に、人間の欲望や猜疑心、嫉妬や裏切りを、コミカルに描いた秀作です。
新国立劇場では『コペンハーゲン』の翻訳で高い評価を得た平川大作による新翻訳を、小川絵梨子の鋭い視線で演出する、注目度の高い作品です。

東京公演後には、水戸芸術館での公演を予定しています。

ものがたり

弦楽四重奏団ラザラ・カルテットは、差し迫るホワイトハウスでの演奏会に向けて、急遽ヴィオラ奏者のオーディションを行っていた。そこで選ばれたのは、グレースという若き女性。もともとのメンバーだったドリアンは、その起伏の激しい性格から解雇されており、数週間前から忽然と姿を消していた。
カルテットのメンバー達は、ホワイトハウスでの演奏会に難曲であるベートーヴェンOpus 131を選曲。だがグレースには不慣れな曲だったため、カルテットは限られた時間内で出来る限りのリハーサルを行わなければならない。
Opus 131のリハーサルに励むグレースとエリオット、アラン、カールの4人。演奏ミスが多いエリオット。他の3人がそれを指摘するも、エリオットは決して自分のミスを認めようとはしない。ホワイトハウスでの演奏まで時間がない。4人のリハーサルは緊迫していく。
なんとか無事に演奏会が終わり、楽屋に戻った4人の前に突如としてドリアンが現れる。ドリアンはエリオットを解雇し、自分が第一ヴァイオリンとしてカルテットに戻り、アランとカール、グレースとともに新生ラザラ・カルテットを結成しようと持ちかける。
敗北感と激しい怒りを抱えその場を立ち去ろうとするエリオットに、ドリアンはグループ名にもあやかった、名器・ラザラのヴァイオリンを返すように要求。これは自分のものだと主張するエリオットと、カルテットで使用する楽器はカルテットに所属するものだと主張するドリアン。口論は、やがてアランやカールを巻き込んでいき……。