おどくみ

  • 2010/2011シーズン
  • 2010/2011 Season Play

    「日本の戯曲 春から夏へ」
    (「鳥瞰図―ちょうかんず―」「雨」「おどくみ」)
    三作品特別割引通し券の販売は、終了させていただきました。
    たくさんのお申し込みありがとうございました。



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  • 小劇場

シーズン掉尾を飾る唯一の新作書き下ろしを、新進気鋭の青木豪氏に依嘱、演出は芸術監督となる宮田慶子があたります。
青木氏は演劇ユニット「グリング」(現在は活動休止)の脚本家・演出家で、最近は外部への書き下ろしも多く、文学座、劇団NLT、劇団新感線、俳優座などへ作品を提供しています。綿密な取材と巧みな状況設定の中から生まれる日常の中のドラマを描き、登場人物間のユーモアある会話の積み重ねにより、それぞれの葛藤や心情、人間関係を描き出す演劇ならではの作風です。また、常に人間への温かい視点を保ちながら、現代社会への問題提起もしなやかに行います。現代演劇の担い手のひとりとして、今後の活躍も大いに期待できる青木氏、新国立劇場初登場です。
総菜店の厨房における日常会話を通して、現代の日本を考える家庭劇です。これまでの現代日本演劇の視点とは角度を変え、「そこにあるはずだが、なかなか見えにくい日本の中心とは何か」を探り、80年代以降の日本とは何かを問おうとする意欲作です。

ものがたり

 80年代半ば。横須賀のはずれにある商店街の総菜屋畑中家では、毎日、弁当や総菜作りが忙しく行われている。切り盛りするのは主人の幸広ではなく、妻の美枝とパートの酒田。学習院大学に入学した長男剛は友人たちと映画研究部の活動に没頭していた。ある日、葉山の御用邸から仕出し弁当の注文が入る。幸広の母、弟、剛の妹も加わり、一丸となって仕事に精を出す畑中家。弁当を届け万々歳なはずが、しだいに暗雲が立ちこめる…。