鳥瞰図 ―ちょうかんず―

2008年6月〜7月に小劇場3作品連続上演を行った、新国立劇場初登場の若手劇作家とベテラン演出家によるコラボレーション企画「シリーズ・同時代」の中から、渡辺美佐子の主演により好評を博した『鳥瞰図―ちょうかんず―/作:早船聡、演出:松本祐子』を再演。
東京公演後には全国公演も予定しています。

兵庫県西宮市・兵庫県立芸術文化センター、
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ものがたり

東京湾岸のある町。そこは4分の3が埋め立てた土地で出来ている。かつて住民の多くは海から生活の糧を得ていたが、工業化による汚染と経済成長の中で海に生きる選択肢を捨てた。古い側の土地にある釣り船宿「升本」は3代続く老舗だが、今は地元の常連客相手に細々と営業している。
女将の佐和子と息子の茂雄が切り盛りするこの船宿には近所に住む個性的な面々が集まり、いつも賑やかだ。そんな夏のある日、見知らぬ少女が船宿を訪れた。ミオと名乗るその少女は出て行った長女の娘だと言う。
女将にとって初めて見る孫の顔。その来訪をきっかけに失われた海の記憶が語られはじめる・・・・・・。