飯守泰次郎オペラ芸術監督による17/18シーズンオペラ演目説明会が開催されました

 

1月22日(日)『カルメン』公演終了後、飯守泰次郎芸術監督による2017/2018シーズンオペララインアップ説明会が開催されました。以下では、約1時間に渡った説明会から、一部をご紹介します。

 

新国立劇場開場20周年に相応しい豪華で多彩なラインアップ

飯守泰次郎オペラ芸術監督

2017/2018シーズンは、新国立劇場開場20周年にあたるとともに、私の芸術監督としての最後のシーズンとなります。4年間にわたる皆様のサポートに感謝申し上げます。

 

17/18シーズンは、20周年を飾るに相応しい豪華で多彩なラインアップを用意いたしました。新制作は3演目、ワーグナー『神々の黄昏』細川俊夫『松風』、開場20周年記念特別記念公演として上演するベートーヴェン『フィデリオ』です。いずれも滅多に上演されない特別な作品です。再演は7演目で、計10演目を上演します。

 

ワーグナー「ニーベルングの指環」第3日『神々の黄昏』について

「指環」を交響曲に例えると、『ラインの黄金』は第1楽章にあたり、ここですべてのテーマが提示されます。『ワルキューレ』は第2楽章、緩徐楽章であり、叙情的な愛の世界が描かれます。『ジークフリート』の野性的なリズムはまさに第3楽章、スケルツォそのものです。最終楽章にあたる『神々の黄昏』で、「指環」は終末を迎えます。

 

『神々の黄昏』で描かれるのは、悪と破壊、策略と裏切りです。音楽も『ワルキューレ』や『ジークフリート』と比べ、よりドラマティック、後期ロマン派を超えて表現主義的になり、転調や示導動機も複雑になります。邪悪で醜いものを美しいとさえ思えるほど芸術的に表現するのがワーグナーの音楽の魅力。特に、ハーゲンという恐ろしい独裁者を、ゆとりやユーモアさえ感じる音楽で表現しているのが衝撃的です。

ドイツの偉大な演出家ゲッツ・フリードリヒのプロダクションは、現代にも通用する普遍的なものです。『ラインの黄金』から『ワルキューレ』にかけて、このプロダクションの上演は発展し、フリードリヒの演出意図を的確に表現できるようになったと感じていますが、今後、フリードリヒの精神を現在に蘇らせることにさらに力を注いでいきたいと考えています。

 

キャストについては、新国立劇場でおなじみのステファン・グールドペトラ・ラングアルベルト・ペーゼンドルファーらに加えて、世界最高峰のワーグナー歌手、ヴァルトラウト・マイヤーを初めて新国立劇場に迎えることができ、非常に嬉しく思います。

そして、今回、読売日本交響楽団が初めて新国立劇場のピットに入ります。

 

細川俊夫『松風』について


邦人作品の上演は国立のオペラハウスの使命であり、私は2012年に芸術参与に就任した当初から、細川作品を上演したいと思っていました。念願叶い、大変嬉しく思います。細川氏の音楽はノーブルで美しい響きが特徴です。静謐で言葉を大事にする作曲家です。『松風』は能に題材をとっていますが、そうでない作品も能の世界観が感じられます。大きな編成の作品でも、室内楽的な要素があるのが魅力です。能や雅楽の影響を受けながらも、西洋と東洋の世界を超越した作品を作る作曲家なのです。

 

今回の『松風』は世界的な振付家サシャ・ヴァルツによるプロダクションで、現代舞踊とのコラボレーションによる「コレオグラフィック・オペラ」という新しい形態での上演となります。細川氏が最も信頼しているプロダクションであり、歌手もダンサーとともに踊りながら歌い、高度な舞踊力が求められます。出演者の動きと細川氏の音楽がよく合っており、美術の塩田千春氏によるインスタレーションも効果的です。ダンスファン、美術ファンの方々にもご覧いただきたいと思います。

 

ベートーヴェン『フィデリオ』について

ベートーヴェン唯一のオペラ『フィデリオ』は、深い精神性と高貴な理想を表現した特別な作品です。欧米では、大きな節目や記念日に取り上げられる伝統があり、新国立劇場開場20周年に最もふさわしい作品と思います。夫婦愛がテーマとなっており、真面目すぎると思われる方もいるかもしれませんが、ベートーヴェンが生涯追い求めたテーマ――自由、平等、博愛という民主主義の精神が凝縮されています。これは、その後のドイツオペラの流れとなるのです。昨今の世界情勢は、民主主義の原点となる理念が揺らいでいます。こういった時代に、『フィデリオ』を上演する意義は増していると思います。

音楽的には、純粋な古典でありながらベートーヴェン独自の強い主張があります。ベートーヴェンにとっては、声楽や器楽の表現よりもテクストの内容、哲学が重要であり、歌手にも高度な要求がされます。また、自由を求める囚人の合唱の感動的な響きも、特筆すべき点。新国立劇場合唱団の力が十分に発揮されると思います。

 

演出をお願いしたカタリーナ・ワーグナー氏は、次世代を牽引する特別な立場の演出家。バイロイトでは08年に『マイスタージンガー』を演出され、これはレジーテアター(演出家主導の舞台演出)という印象が強かったのですが、15年の『トリスタンとイゾルデ』は、非常に美的で素晴らしい演出でした。ベートーヴェンの音楽も作曲当時はセンセーショナルな音楽でした。彼女には、新国立劇場から世界に発信するようなチャレンジングな舞台を期待しています。

 

『フィデリオ』の歌唱は器楽的で、ある意味ワーグナーの大曲よりも難しいといえます。ステファン・グールドは「指環」4役の後のフロレスタンで、非常に楽しみです。レオノーレ役のリカルダ・メルベートは発声がしっかりしており劇的で、彼女に勝るレオノーレはいないと思います。また、ロッコ役には歌、演技ともに国際的にトップクラスの妻屋秀和氏、ドン・フェルナンド役には舞台に良い緊張感を作り出してくれるベテラン黒田博氏を迎えました。

 

再演について

開場20周年記念特別記念公演として上演する『アイーダ』は、祝祭的な作品で、人気のプロダクションです。ヴェルディ後期の成熟した作風が魅力です。巨匠ゼッフィレッリの豪華絢爛な演出は、新国立劇場のまさに看板プロダクションです。

その他の再演も20周年らしい華やかな作品が並んでいます。いずれの公演の指揮者、歌手陣にも、ベテランとともに次世代を担う若手も多く登場するようにしました。世界で華々しく活躍する歌手陣も続々と初登場しますので、どうぞご期待ください。

2017/2018シーズンセット券 発売中です

【会員優先受付】2017年 2月28日(火)まで[必着]

【一般先行受付】2017年 3月31日(金)まで[当日消印有効]

バレエ&ダンスについては、4月1日(土)から5月20日(土)まで[必着]第二次受付期間がございます。

上記受付期間を過ぎた後は順次受付となります。

 

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    大原永子 舞踊芸術監督による2017/2018シーズン演目説明会

     日時:2月18日(土)「ヴァレンタイン・バレエ」(14:00開演、予定上演時間:約2時間10分)公演終了後

     会場:オペラパレス客席(全席自由席・予約不要)
     出演:大原永子 舞踊芸術監督
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