楽劇「ニーべルングの指環」第3日
神々の黄昏

  • 2009/2010シーズン
  • 2009/2010 Season Opera
    Richard Wagner:"Der Ring des Nibelungen" Dritter Tag Götterdämmerung
    リヒャルト・ワーグナー/序幕付全3幕
    【ドイツ語上演/字幕付】
  • オペラ劇場

2004年3月新国立劇場初演。
指揮者にダン・エッティンガーを再招聘。楽劇「ニーベルングの指環」の後半二作品を再演いたします。歌手陣は、バイロイト音楽祭でも活躍している世界的なワーグナー歌手を招聘。聴衆の大きな期待に応える万全の体制が整いました。

ものがたり

【序幕】前奏曲に続いて幕が開く。三人の運命の女神(A,S,S)が綱を編むうちに、もつれて切れてしまう。運命から見捨てられたと嘆く彼女たちは、母エルダのもとへと降りてゆく。ジークフリート(T)とブリュンヒルデ(S)が現れ、夫は妻に指環を与えてから彼女の愛馬にまたがり、腕試しの旅に出かける。「ジークフリートのラインへの旅」の間奏曲が演奏される。
【第1幕】ライン河畔のギービヒ家。家長のグンター(Br)、妹グートルーネ(S)、グンターの異父弟で邪な男ハーゲン(B)の三人が勇士ジークフリートの噂を語る。そこにジークフリート本人がやってきて、自分の素性を打ち明ける。薬入りの飲み物を口にした彼は過去をすべて忘れ、目の前のグートルーネに惹かれる。グンターは彼に「火に包まれているブリュンヒルデを連れてきて、自分の妻に与えてくれるなら、妹を嫁にやろう」と告げる。二人は兄弟の盃をかわし、河を下る。ハーゲンはほくそ笑む。場面が変わり、ブリュンヒルデの前に姉妹のヴァルトラウテ(Ms)が現れて、「指環をラインの乙女たちに返してくれれば、神も世界も平和になる」と告げる。しかしブリュンヒルデはそれに応じない。その後、記憶を失くしたジークフリートが隠れ頭巾を身につけて現れ、グンターの願いどおり、ブリュンヒルデを連れ去るべく、彼女から指環を奪ってしまう。
【第2幕】前奏曲に続いてギービヒ家。ハーゲンの夢に実父アルベリヒ(B)が現れて、「指環を乙女たちに返すな」と告げて消える。朝になりジークフリートが戻る。彼がハーゲンとグートルーネに事の次第を語る。ハーゲンが角笛を吹いて家臣を集める。ブリュンヒルデを伴って現れたグンターは、「自分と彼女、妹とジークフリートの結婚式だ」と告げる。その言葉にブリュンヒルデは驚愕、ジークフリートの姿を認めて呆然とし、彼の指にある指環を目にして神々に復讐を誓う。怒りと絶望の中、彼女はハーゲンに「ジークフリートの急所が背中にある」と教えてしまう。婚礼を祝う行列が近づく。
【第3幕】前奏曲に続いて河畔の低地。ラインの乙女(S,S,A)たちがジークフリートに指環の恐ろしさを教えるが彼は理解しない。ハーゲンとグンターが現れる。ハーゲンはジークフリートの背中を槍で突き殺す。人々は英雄の死を悲しみ、遺骸を運ぶ。ギービヒ家ではグートルーネが夫の帰りを待つが、冷たくなった彼を目にして逆上する。ハーゲンは指環を要求し、グンターと争って彼を殺す。ブリュンヒルデが現れて、「あなた方全員が裏切ったジークフリートの妻が復讐に来た」と告げる。彼女は火葬の為の薪を用意させ、夫の遺骸から指環を抜き取り、燃え盛る炎を目指して愛馬に跨り突き進む。ライン河が炎に流れ込み、乙女たちは指環を取り戻し、ハーゲンは水中に引きずり込まれる。炎は天上をも包み込む。