DANCE PLATFORM 2012
Bプログラム
高谷史郎(ダムタイプ)「明るい部屋」

新国立劇場ダンス公演に初めて登場するダンスカンパニーを紹介する「DANCE PLATFORM」。2012/2013シーズンでは、2作品を取り上げます。

高谷史郎は1980年代に結成され、建築、ダンス、音楽、映像、美術、デザインといった様々なメディアのアーティスト集合体として芸術界に新しい衝撃を与えた「ダムタイプ」創立メンバーの一人です。高谷が2008年に発表した初のソロ監督作品『明るい部屋』は同名のロラン・バルトによる写真論へのオマージュでもあり、風景を手元の紙の上に映し出すために画家が用いた光学装置カメラ・ルシダも併せて意味します。
バルトが示唆した「かつて存在したもの」(そしてその「死」)を突きつける「写真」というものの存在、それが人に強いる「記憶」に関する重層的なイメージが、作品をご覧になる観客それぞれを内的空間と自己の記憶への旅へと誘うことでしょう。