「シーンスタディ」
講師:栗山民也/西川信廣/宮田慶子 ほか
現役演出家の指導により、さまざまな戯曲を題材にシーンスタディが行われます。取り上げるテキストは、通年のバランス、俳優の個性を考慮し、担当する演出家を中心に、サポート委員会で決定されます。上演を必ずしも前提としないために、自由な雰囲気で行われるこのクラスでは、俳優自らが自主的に考え、発想し、試行錯誤を繰り返して、演技を組み立てて行くプロセスを重く見ます。
「朗読」
講師:第一線の俳優による講師陣
戯曲をどう読み込んでいくのか、そしてそれをどう声にして発していくのか。さまざまなジャンルで活躍する第一線の舞台俳優の指導により、実践的に学びます。授業では、戯曲に限らず、すぐれた詩や散文をテキストとして用います。「朗読」の授業は、「本読み」とは異なり、俳優が単独でも学習できる日常的な訓練としての意味も持っています。
「声と演技」
講師:池内美奈子
俳優は、自分が発する言葉が、どうしてもこの言葉でなければならなかったのだと、身体と心が理解している必要があります。そのために、まず、第一に、身体の状態・呼吸・声の幅・共鳴・発音を中心に、声の幅を伸ばす技術。第二に、聞く力・表現する力・即興性・想像力・遊び心を伸ばし、台詞が、今あたかも発見されたかのように発語する噐を育てること。このふたつをバランスよく学んでいきます。
「身体と演技」
講師:山中ゆうり
役を演じるには、まず、ひとりの人間として、俳優として、自分の身体をよく知ることが必要です。また、役を演じるためには、ありのままの自分を、受け入れなければなりません。特に1年目の授業では、五感、そして第六感までも研ぎ澄まして、さまざまなエクササイズに取り組んでいきます。目標は、繊細にして大胆に役を演じ、強くたくましい身体を持った俳優となることです。
「身体は喋る-The Body Speaks」
講師:ローナ・マーシャル
パフォーマーの訓練は、声と身体と精神を別々のものとして扱い、トレーニングする傾向があります。それぞれが孤立した訓練を受けると、喋る言葉はウソくさく聞こえ、身体の動きはぎくしゃくしてしまいます。この授業は、身体と声を、いかに心の動きにつなげるかに焦点をおき、パフォーマーの言葉や動きが、真実であるかのように、 観客がその一瞬一瞬を共有できる演技をめざします。
「PIP−Pleasure in Play」
講師:ジム・チム
PIPの主な要素は、Pleasure、Play、EYFの三つです。特に、EYFは“Enjoy Your Failure”(失敗を楽しむ)の略で、ネガティブなプレッシャーを、イマジネーション、創作、可能性の追求への刺激剤に変える考えです。すると、辛いトレーニングは、楽しいゲームやセッションあるいは実際の演技に変わり、その結果、一人ひとりの考えが誘発され、クリエイティブな力が伸ばされていきます。
「歌唱と演技」
講師:伊藤和美/小川美也子/深沢桂子/安崎求
作品によっては、登場人物のキャラクターに基づいて劇中で挿入歌を歌うことが必要となります。そこでは単にうまく歌うための歌唱法ではなく、俳優として、また別のドラマを体現する表現技術も必要となります。「声と演技」の授業と平行して、その発想や技術を実践的に学びます。
日本舞踊
講師:花柳千代/花柳太郎
日本人としての伝統的な所作や仕草の基本を身につけるために、日本舞踊を通年で学びます。日本舞踊を通じて、和服の着方、さばき方も身につけていきます。それは、やがて発展的に予定されているさまざまな伝統芸能の基礎作りともなります。
伝統芸能
講師:中村又蔵/中村京蔵
日本舞踊で、和服での立ち居振る舞いや仕草などが身についた時点で、改めて歌舞伎の技芸を学びます。様式性の高い歌舞伎における演技の基盤にある「型」という考えを理解し、数々の名優たちによって継承されてきた技芸を体験しながら、日本の古典への造詣も深めていきます。
ダンス
講師:井手茂太、前田清実、夏貴陽子、河野有紀子 ほか
作品によっては、俳優がさまざまなダンスを踊るシーンがあります。社交ダンスやモダンダンスなど、戯曲の指定にあるダンスシーンの実際を体験します。また、さらにコンテンポラリーダンスの振付家も迎え、現代演劇におけるダンスの重要性を理解し、身体表現の幅を広げていきます。
アクション
講師:渥美博
マット運動・体捌き・殴り蹴り・刀捌き・文化や時代の変化に伴う所作の違い等を習得し、演技並びに身体表現の基本となる体力作り・バランス感覚・相手とのコミュニケーションを向上させ、作品上に効果的かつ安全なファイティングシーンを作り出す為の実習をします。
マナー
講師:専門家による指導
さまざまな時代の職業や階級の役を演じるために、和洋双方の基本的なマナーや立ち居振る舞いを身につけることが必要です。ディナー、パーティ、謁見、会談などの具体的なシーンを想定しながら、ときには現場を体験することによって、その実際を学んでいきます。