新国立劇場ではこれまでも「J−バレエ」を通じて若手振付家による意欲的なバレエ作品を生み出してきました。世界のどこにもない新しい舞台創りを積み重ねることは劇場の将来のために大変重要で、欧米の劇場でも様々な試みがされていますが、新国立劇場も開場から7年が過ぎ独自の作品を求める機運は一層高まってきています。今シーズンから始まる「エメラルド・プロジェクト」は、日本を含む世界の振付家にストーリーのある新作バレエ創作を提案、新国立劇場オリジナルのレパートリー化を図るものです。プロジェクト名には「若々しく活力あふれる舞台、緑の風を巻き起こすような清新で驚きのある振付、そして観客の皆様にとって美しい宝石となるようなバレエ誕生を願う思い」が込められています。 エメラルド・プロジェクト第1弾は石井潤による『カルメン』。同氏はこれまで多くの作品を発表、新国立劇場では開場以来バレエマスターとしてバレエ団の指導にあたると同時に、開場記念委嘱作品『梵鐘の聲』、J−バレエ『十二夜』を振り付けてきました。そしてこの度、同名オペラ作品であまりにも有名な『カルメン』に取り組みます。胸高鳴るビゼーの音楽は世界中の振付家を魅了し、創作へと駆り立ててきました。石井潤のもとにはドラマ創りに長けた日本の一流スタッフが結集。生身の人間がぶつかりあう熱い物語がどう描かれるのか、興味は尽きません。新国立劇場バレエ団のダンサーたちを熟知する同氏の綿密な構成による劇的な展開にどうぞご期待ください。
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