オペラ
バレエ&ダンス
演劇
貸し劇場公演
バックステージツアー
新国立劇場Webボックスオフィス
ボックスオフィス
グループでのお申し込み

「サド侯爵夫人」澁澤龍彦書『サド侯爵の生涯』による
Madame de Sade
シリーズ「現在へ、日本の劇」4
小劇場 THE PIT

<スタッフ>
 
:三島由紀夫
演出 :鐘下辰男
美術 :島次郎
照明 :中川隆一
音響 :井上正弘
衣裳 :前田文子
演出助手 :山田美紀
舞台監督 :矢野森一
芸術監督 :栗山民也
主催 :新国立劇場

<キャスト>
 
高橋礼恵   片岡京子   倉野章子   中川安奈   新井純   平淑恵

<公演日程>
 
2003年5・6月 5/26日
(月)
27日
(火)
28日
(水)
29日
(木)
30日
(金)
31日
(土)
6/1日
(日)
2日
(月)
●1:00
○2:00
   
●6:00
○7:00
     

2003年5・6月 3日
(火)
4日
(水)
5日
(木)
6日
(金)
7日
(土)
8日
(日)
9日
(月)
10日
(火)
11日
(水)
●1:00
○2:00
   
●6:00
○7:00
         
開場は開演の45分前です。

<前売り開始日>
  2003年3月30日(日)10:00〜

<チケット料金>
 
席種 A席 B席
料金 5,250円 3,150円
@チケットぴあ

 
 

美を追求する思想に身を投じた、昭和を代表する華やかな文学者・三島由紀夫(1925-1970)。彼はまた優れた劇作家でもあり、現代演劇や歌舞伎においても著作や演出などで活躍して、多大な成果を収めました。現代演劇の財産となるべき優れた作品を集めたシリーズ「現在へ、日本の劇」の掉尾を飾るのは、その三島戯曲の中でも最も高い評価を得ている作品のひとつ『サド侯爵夫人』。1965年の初演では衝撃的な内容で話題をさらい、以来国内のみならず海外でも様々なかたちで上演され、支持を集めています。
ロココと呼ばれる絢爛と頽廃の時代からフランス革命勃発へと至る、情緒不安定なパリが舞台。当時の世の風潮から著しく逸脱した性癖のため投獄された夫をひたむきにかばい続け、実母と激しく対立しながら、理解者であろうと苦しんだサド侯爵夫人・ルネが、老年に及んで初めて辿り着く真実とは・・・・・・。サディズムという言葉の語源でもあり、今もなお不道徳の象徴とされるサド侯爵に関係する六人の女性たちが登場。ルネは貞淑、ルネの母モントルイユ夫人は法・社会・道徳、シミアーヌ男爵夫人は神、サン・フォン伯爵夫人は肉欲、ルネの妹アンヌは女の無邪気さと無節操、召使シャルロットは民衆をそれぞれ代表する者として描き出されます。各々が確信する思想を激しくぶつかり合わせ、葛藤しながら築く人間関係の妙。ロココ様式から抜け出したようなフランス貴族たちの飾った言葉と、語られる悪徳や肉欲との美しいまでの対照性を通して、流麗な台詞回しが真髄の三島戯曲を存分に堪能できることでしょう。
比類ない完成度を誇るこの作品に新たな光を当てるべく演出に取り組むのは、人間の心情を深く巧みに描くことに定評のある鐘下辰男。実力ある六人の女優もそろって、豊富な修辞や緊迫感あふれる会話がどのように表現されるのかも見どころになります。


六人の女性が、サドという一人の男性の回りに立っている。そして彼女たちの口からは時に悪徳のサドが、時には無垢なる少年としてのサドが語り尽くされる。そこからあぶり出されてくる「悪徳」と「貞淑」という対立の構図。
「新劇の劇的クライマックスはあくまで対話であるべきである。相いれない二つの思想の論理的対決が頂点をなすべきである」
『サド侯爵夫人』はまさにそうした作者の持論があますところなく発揮された傑作戯曲に違いない。
人間は誰しも心の奥底で「禁を犯したい」という衝動を夢見ているとは誰の言葉だったか忘れてしまったが、この作品はそうした私たちの潜在意識を挑発してやまない。閉塞の時代にこそ、『サド侯爵夫人』はふさわしいのかもしれない。

−演出 鐘下辰男


このページのトップへ