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平成14年度文化庁国際芸術交流支援事業 |
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Siegfried
ワーグナー:「ニーベルングの指環」第2日
【全3幕】<ドイツ語上演/字幕付>
オペラ劇場 OPERA HOUSE
特別協賛:POLA
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<スタッフ> |
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台本・作曲 |
:リヒャルト・ワーグナー |
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芸術監督 |
:五十嵐喜芳 |
指揮 |
:準・メルクル |
演出 |
:キース・ウォーナー |
装置・衣裳 |
:デヴィッド・フィールディング |
照明 |
:ヴォルフガング・ゲッベル |
振付 |
:クレア・グラスキン |
アドヴァイザー |
:ヴォルフガング・ワーグナー |
アクション |
:渥美博 |
指揮補 |
:ライオネル・フレンド |
演出補 |
:マティアス・フォン・シュテークマン |
舞台監督 |
:菅原多敢弘 |
副指揮 |
:三澤洋史/城谷正博 |
演出助手 |
:澤田康子/エマ・ウォーナー |
管弦楽 |
:NHK交響楽団 |
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主催 |
:新国立劇場/日本オペラ団体連盟 |
協力 |
:日本ワーグナー協会 |
特別協賛 |
:株式会社ポーラ化粧品本舗 |
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<キャスト> |
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2003年 |
3月27日
(木) |
30日
(日) |
4月1日
(火) |
3日
(木) |
5日
(土) |
6日
(日) |
ジークフリート |
クリスティアン・フランツ |
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ジョン・トレレーヴェン |
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ミーメ |
ゲルハルト・ジーゲル |
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ウーヴェ・アイケッター |
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さすらい人 |
ユッカ・ラジライネン |
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ドニー・レイ・アルバート |
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アルベリヒ |
オスカー・ヒッレブラント |
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島村武男 |
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ファフナー |
長谷川顯 |
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佐藤泰弘 |
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エルダ |
ハンナ・シュヴァルツ |
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黒木香保里 |
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ブリュンヒルデ |
スーザン・ブロック |
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緑川まり |
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森の小鳥 |
菊地美奈 |
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<公演日程> |
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2003年 |
3月27日(木) |
30日(日) |
4月1日(火) |
3日(木) |
5日(土) |
6日(日) |
14:00開演 |
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16:00開演 |
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開場は開演の60分前です。
開演45分前から、客席にて当作品の簡単な解説をいたします。 |
<前売り開始日> |
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2003年1月19日(日)10:00〜 |
<チケット料金> |
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席種 |
S席 |
A席 |
B席 |
C席 |
D席 |
E席 |
料金 |
23,100円 |
18,900円 |
14,700円 |
11,550円 |
7,350円 |
4,200円 |
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英雄ジークフリートの登場で「指環」の核心に迫る!!
ニーベルングの指環とは 音楽評論家 三宅幸夫
『ニーベルングの指環』4部作は、世界支配の象徴たる指環をめぐって、天上の神々、地上の巨人族、地下の小人族などが激しく闘いを繰りひろげる物語。この呪われた世界を救うはずだった英雄ジークフリートもあっけなく凶刃に倒れるのですが、妻ブリュンヒルデの自己犠牲によって火災と洪水が起こり、旧世界は最終的に崩壊してしまいます。この一時代の没落過程を描いた物語には、人類永遠の課題である「愛と権力の葛藤」というテーマが一本の赤い糸のように張り渡されていると言えましょう。数少ない愛情志向の人間が、この葛藤に直面するたびに決断を迫られ、はかない希望を抱き、そして挫折してゆくところに「指環」物語の奥深さがあるのです。
2001 ラインの黄金
新国立劇場が世界に向けて発信する「トーキョー・リング」は、2001年の序夜『ラインの黄金』から始まりました。愛を断念してラインの黄金を略奪し、そこから指環を作り上げた小人アルベリヒ。自己資金なしに壮麗なヴァルハラ城を建ててしまった主神ヴォータン。この2人に共通する権力志向を、キース・ウォーナーの演出はおぞましいほど冷徹に描き切りました。幕切れは、ヴァルハラの真っ白な広間(精神病院?)で世界中の神々を招いて新築披露パーティーが催されるという趣向。こうした為政者ヴォータンの見栄っ張りで軽率な行動が、まだ生まれてもいない、したがって何の責任もない次世代の人間に悲劇を背負わせることになるのです。
2002 ワルキューレ
2002年の第1日『ワルキューレ』では、ヴォータンの血をひく双子の兄妹、ジークムントとジークリンデの悲劇が際立ちます。新天地をめざして駆け落ちする2人ですが、舞台はあたかも出口なしの箱庭のよう。主神に見捨てられたジークムントはあえない最期をとげますが、彼の生きざま(愛情志向)は主神の愛娘ブリュンヒルデへと受け継がれてゆきます。そして主神が命令に背いた愛娘を眠りに封じ込める幕切れ。ジークリンデがジークムントの遺児を身ごもっていることを知り、ヴォータンは眠りにつく愛娘を炎の輪で守ろうと決心します。このくだりは、権力志向と愛情志向のあいだで揺れ動く主神の心理状況をみごとに写し出していました。
2003ジークフリートのみどころ
さて「指環」の物語も折り返し点を過ぎたことになりますが、2003年の第2日『ジークフリート』はどのような舞台になるのでしょうか。この作品が前2作と異なるのは、メルヒェン仕立ての筋書きという点にあります。小人に育てられた英雄、恐れを知るために旅に出た若者が大蛇を退治し、そして眠り姫を目覚めさせる・・・・・・これまでの舞台は、いわば視覚の示導動機として現われる映写機とスクリーンに象徴されるように(「指環」の物語はヴォータンの回顧録?)、きわめて現代的な、しかもテクノロジーに関連するアイデアに満ちていました。したがって、どうメルヒェンとテクノロジーという異質な要素に折り合いをつけるかが『ジークフリート』のみどころとなるでしょう。そして『ラインの黄金』と『ワルキューレ』では幕切れ直前に、意表を突く舞台装置の転換があったので、今回も小さなきっかけから大きな舞台転換が起きることを期待しましょう。もちろん、それだけではありません。演劇的にも音楽的にも重要な細部、たとえばジークフリートの熱っぽい母への憧れ、計略を見抜かれてしまった小人ミーメの当惑、さすらい人と名乗るヴォータンの変身ぶりにも注目したいものです。
あらすじ
『ジークフリート』の筋書きは、題名役がアイデンティティを確立してゆく過程を描いています。小人ミーメに育てられていたジークフリートは、第1幕でミーメが養父であることを、また父ジークムントが殺され、母ジークリンデも彼を生み落として死んだことを知り、父の形見である名剣ノートゥングをみずから鍛え直します。つづく第2幕、彼はニーベルングの財宝を守っていた大蛇をこの名剣で倒し、その血をなめると、森の鳥の声を理解するようになります。小鳥の忠告に従って、彼は指環と隠れ頭巾を手に入れ、自分を殺そうとしたミーメを倒し、ブリュンヒルデの眠る岩山へと勇んで駆けてゆきます。そして第3幕、彼はさすらい人(ヴォータン)の制止を振り切って岩山に到着し、ブリュンヒルデを発見するのですが、女性に接するのが初めての彼はここで初めて「恐れ」を覚えます。しかし、気を取り直した彼は口づけによってブリュンヒルデの眠りを覚まします。彼女も弱い人間の女性になってしまった恐怖におののきますが、やがて彼の求愛を受け入れ、2人は「光り輝く愛、笑いかける死」と唱和します。はたしてこの新しいカップルにはどのような未来が待ち受けているのでしょうか。 |

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