演 劇

 作  :井上ひさし
演  出:渡辺浩子
音  楽:宇野誠一郎
美  術:堀尾幸男
衣  裳:緒方規矩子
照  明:服部 基
音  響:深川定次
振  付:謝 珠栄
歌唱指導:宮本貞子
方言指導:大原穣子
演出助手:篠原宏子
舞台監督:三上 司
芸術監督:渡辺浩子


1997年10月22日(水)〜11月12日(水)
(24回公演)
  
S席;7,000円
A席;5,000円
B席;3,000円

<キャスト> 
 神宮淳子・・・森  光子
 熊田正子・・・梅沢 昌代
 浦沢玲子・・・深沢  舞
 大島輝彦・・・井川比佐志
 丸山定夫・・・辻  萬長
園井恵子・・・三田 和代
戸倉八郎・・・松本きょうじ
針生武夫・・・小野 武彦
長谷川清・・・大滝 秀治


あらすじ
昭和20年の初冬、東京巣鴨プリズンに「自分はA級戦犯だ」と自首する初老の男がいた。長谷川清(大滝秀治)、元台湾総督にして海軍大将、天皇の密使という歴史秘話を持つ男だった。対応したのが針生武夫(小野武彦)、元陸軍中佐にして、堪能な英語力と戦前の経歴を買われ今やGHQで働いている男。二人は終戦前の広島で特別な経験を共有していた。長谷川が気づく「・・・もしや君は」。と、闇の中から「すみれの花咲く頃」の歌声と共に、7ヶ月前、昭和20年5月の広島「紙屋町さくらホテル」が出現する。
いましもホテルでは、明後日に迫った特別公演のため丸山定夫(辻萬長)と園井恵子(三田和代)が、にわか仕立ての劇団員を相手に必死の特訓の真っ最中だった。ホテルのオーナー神宮淳子(森光子)と、共同経営者の熊田正子(梅沢昌代)、劇団員に応募してきた浦沢玲子(深沢舞)、そして宿泊客の文学博士大島輝彦(井川比佐志)。さらに、神宮淳子をつけ狙う特高の戸倉八郎(松本きょうじ)。神宮淳子はアメリカ生まれの日系二世で、スパイの疑いをもたれていたのだった。長谷川と針生、その上戸倉までもその公演に参加せざるをえなくなる。終戦を間近にした非常時下の広島「紙屋町さくらホテル」。そこは「途方もない空間。懐かしくもいとおしい夢のような空間」だった・・・・・。

戦時下の広島で起ったことは・・・・・
新国立劇場・中劇場(PLAYHOUSE)開場記念公演の嚆矢にあたる「紙屋町さくらホテル」は、現代日本を代表する作家、井上ひさしの書き下ろし作品。演出は当劇場の演劇芸術監督、渡辺浩子です。この作品は、終戦末期天皇が密使を国内に派遣したという歴史秘話と、広島で被爆したさくら隊の丸山定夫が、終戦の年の5月に広島に滞在していた事実をモチーフにした、井上ひさし独特の虚実ない交ぜの抱腹絶倒の喜劇です。
非常時下、多彩な人間を巻き込んで、素人を俳優にするという築地小劇場が、なぜか広島の小さなホテルで体現される破天荒な着想から展開されます。今回の作品は、日本人とは何か、国民と国家の関係は、といった作家独自の創作のテーマを底に秘めながら、演劇の、そして人間の素晴らしさを確認する舞台となるでしょう。そして、この作品に取り組む出演者も、開場記念公演にふさわしい豪華な顔ぶれがそろい、素敵な新国立劇場演劇の幕開きとなることでしょう。



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