芸術監督として第二年度となる2008/2009シーズンも、魅力あふれるオペラを揃えました。上演作品選定の際に目標とするのは、昨シーズン同様、“国立劇場”としての地歩を固め、独自の顔を創ることです。オペラの正統的伝統を守りつつ、普遍的名作から20世紀作品まで、日本人の作品を含む10作品を取り上げます。
モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』、プッチーニ『トゥーランドット』は、歌舞伎十八番ならぬオペラ十八番として劇場の基礎を固めるレパートリー作品です。一昨年生誕100年を迎えたショスタコーヴィチの『ムツェンスク郡のマクベス夫人』は、20世紀オペラの傑作です。岡本綺堂の『修禅寺物語』は清水脩先生のオペラ化により、日本オペラの偉大な遺産となりました。このたびは坂田藤十郎さんに演出をお願いいたしました。氏は、このオペラ世界初演の演出を手がけられた武智鐵二先生が情熱を注がれた上方歌舞伎の時代に中村扇雀さんとして武智先生の想いを継いでこられた方です。藤十郎さんのオペラ初演出、こちらも注目の公演となることでしょう。
新国立劇場オペラ2008/2009シーズン、どうぞご期待ください。
|