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2012年11月26日

オペラ「セビリアの理髪師」 期待のテノール
ルシアノ・ボテリョ(アルマヴィーヴァ伯爵役) インタビュー

今回が初来日のルシアノ・ボテリョはブラジル期待の国際的テノール。初めての東京で、日本の文化に興味津々だそうです。
そんなルシアノの陽気な素顔をご紹介しましょう。

 
-----お生まれはブラジルですね。今、日本では次のワールドカップやオリンピックの開催地として、ブラジルに熱い視線が注がれています。

私はリオ・デ・ジャネイロで生まれ育ちました。ブラジルは大きな国で、南と北ではもちろん、それぞれの街で文化も生活もだいぶ異なります。リオは南東部にあり人口はお隣のサン・パウロに次ぐブラジル第2の都市です。大都会でありながら、ビーチで太陽の光を浴びながら人々がゆっくり生活をしています。そう、次の夏のオリンピックが開催されますね。


-----今はロンドンに住んでいらっしゃいますが、どのような経緯で移られたのですか?

9才でリオの教会の聖歌隊に入りました。あまりにいたずら坊主だったので、何とかじっとしているようにならないものかと母親が考えた末に入れたのです。その後、17才の頃にリオの劇場の合唱に入り、それから少しずつ役をもらってソリストとしてオペラを歌うようになりました。ただ、当時のブラジルではクラシック音楽を学ぶ環境がまだ整っておらず、真剣に学ぶにはヨーロッパに渡るしかないということが念頭にありました。私自身は8年前にロンドンに移りましたが、他の都市に比べ、髪の毛にフワフワのパーマをかけて大きな頭にしていたリオ・ボーイの私でも受け入れてくれるようなコスモポリタンな雰囲気がとても気に入りました。もちろん異国に住むわけですから、それなりの勇気が必要だったのは確かです。その後、徐々に歌手としてのチャンスが広がっていったことはラッキーでした。


-----さて、初めての日本で、アルマヴィーヴァ伯爵で新国立劇場に登場です。この役について難しいところ、好きなところをお聞かせください。

とにかく忙しい役です。舞台上でも忙しいですが、楽屋に戻っても常に衣裳の着替えをしていなければならない(笑)。また、随所で長いフレーズを歌いきらなくてはならないところがテノール歌手として大変なところですね。この演出では歌わないのですが、2つめのアリア(2幕)も、歌うとなるとかなりの覚悟が必要です。役柄としては、もちろん伯爵ですからそれなりに威厳があり”ええかっこしい”なのですが、このオペラの中ではロジーナに夢中であの手この手で真実の愛を訴えます。その愛が永遠に続くどうかはさて置いて(笑)。そんな演技も楽しいですね。


-----新国立劇場の「セビリアの理髪師」プロダクションはいかがですか?

とてもモダンで、視覚的にはカラフルな要素がちりばめられています。そして、ギリギリのところで脱線しないしっかりとした演出の流れがあります。音楽面では指揮者のカルロ・モンタナーロさんが生き生きとして軽快な音楽作りをしています。速めのテンポで、このオペラでロッシーニが目指していた感覚を現代に描き出しているのではないかな、と思いながら気持ちよく歌っています。お客様にも、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。



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