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2012年4月10日

4月のマンスリー・プロジェクト トークセッション「戯曲を書くということ」
が開催されました

24年度のマンスリー・プロジェクト第1弾、トークセッション 「戯曲を書くということ」が、4月9日(月)、小劇場で開催されました。

劇作家の仕事とはいったいどういったものなのでしょう。舞台のもっとも基本となる、大切な設計図を担う職業でありながら、その「働く姿」は、俳優や演出家に比べてもあまり知られてはいません。今回は、今が旬の若手劇作家の倉持裕さん、蓬莱竜太さん、前川知大さんを迎え、その執筆の「現場」についてお話を伺いました。

各々が自分の劇団を持ち、劇団公演では作と演出を兼ねることが多いという共通点を持つ三人。劇団公演とプロデュース公演では、脚本の書き方、締切日のプレッシャーから違うといいます。
また、脚本の構想をファミレスや喫茶店で練ることがあっても、実際の執筆場所は自宅が一番というのも共通していました。

一方、お三方それぞれの興味深いお話も聞くことができました。
倉持さんは、どうしてもプロデュース公演の方が脚光を浴び、劇団公演の方が集客に苦労するきらいがあるが、自分が脚本を書くにあたり、新しいことを初めて試すのは専ら劇団公演の作品なので、劇団公演の方がお得と宣伝。
蓬莱さんは、劇団公演だと劇団員の数や年齢構成が限られているので、プロデュース公演では、ふだん劇団公演ではできない人物構成の作品を書くことが多いそうです。
また、前川さんは、執筆途中の自分の脚本に率直に有益な意見を述べてくれる友人を頼りにしていて、彼は今劇団の文芸部の肩書を持っているそうです。

お客様からは、「劇作家の本音を伺うことができて充実したひとときだった」「劇作家の話に、劇の根底ににじみ出る人間性も合わせて感じることができた」「三人の方々の愛らしい所が見えて楽しかった」「三人の作品は大好きだが、サービス精神が過多にならない"余白"があるともっと嬉しい」などの感想をいただきました。
  

倉持 裕

蓬莱竜太

前川知大