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2012年2月6日

2月のマンスリー・プロジェクト 演劇講座 シリーズ日本の劇Y「破壊から再構築へ」が開催されました

「マンスリー・プロジェクト」の今年度のシリーズ企画、日本の劇」6回連続講座の最終回、演劇講座 シリーズ日本の劇Y「破壊から再構築へ」が、2月2日(木)、3日(金)の両日、情報センターで開催されました。

今回のテーマは1960年代の演劇革命以後の"小劇場"演劇。
新劇に対する敵対意識、破壊のエネルギーをバネに多様な表現方法を開拓したアングラ四天皇らの第一世代に対し、第一世代のエネルギッシュな方法は受け継ぎつつ、破壊すべき対象が見えにくくなり、独自の世界を展開しはじめた、つかこうへいらの第二世代。そして、破壊のエネルギーは姿を消して、多様な方法だけが咲き誇っている、野田秀樹、鴻上尚史ら第三世代あたりから、"小劇場"の時代と言われるようになったこと、それ故"小劇場"の中身には共通性があまりないこと、などをお話いただきました。

そして、サンプル映像として、韓国併合直前のソウルに住む日本人家族の一見静かな日常を描いた平田オリザ作・演出、青年団『ソウル市民』と、独特の身体的表現で現代の若者のだらだらとした日常を描く岡田利規作・演出、チェルフィッチュ『三月の5日間』の映像を楽しみました。

最後に、宮田芸術監督が、昨年5月の「江戸時代を背負って」に始まり全6回に及んだ「シリーズ日本の劇」を振り返り、ふじた氏の労をねぎらいました。

お客様からは、「今までに観たチェルフィッチュ岡田さん、イキウメ前川さんなどの舞台と、日本の演劇史、言語、身体性が今日の話でつながり、理解が深まったように思う」「今の演劇の多様性についておもしろい発見もあり、これから観る芝居への興味がより増した」「演劇を新たな目で見るヒントが得られた」などの感想をいただきました。