2011年10月12日
国際連携プロジェクトU
「パゴダの王子」トーク・イベントが開催されました
国際連携協力室の企画イベント第二弾、
国際連携プロジェクト「パゴダの王子」−日英協力による舞台制作−トーク・イベントが、10月9日(日)、地下2階のオーケストラ・リハーサル室で開催されました。
前半では、デヴィッド・ビントレー芸術監督が「パゴダの王子」新制作が完成するまでの経緯や苦労話を語りました。
ブリテンは、チャイコフスキーやストラヴィンスキーの影響も伺える美しい音楽を作曲しましたが、作品が長大過ぎたこと、オーケストラの作曲が追い付かずピアノ譜で振付をしなければならなかったなどの理由で、1957年初演のクランコ振付は作品としての完成度は高くなく、ロイヤルオペラのレパートリーとして定着せず、今では見ることができないそうです。
また、1990年代に出たマクミラン版も、話に一貫性のない点は変わらなかったこと、また「東の国」がエリザベス一世時代の英国の香りのする舞台だったようです。
ビントレー氏は、マクミラン版が出る前から長年新振付の構想を抱いてましたが、歌川国芳の絵に出会ってインスピレーションを得、舞台美術をレイ・スミス氏に依頼、また人物の設定を変え、ロマンスから兄弟愛・家族愛の物語に変えて、物語に一貫性を持たせることに成功しました。
レイ・スミス | デヴィッド・ビントレー |
続いてレイ・スミス氏より、『パゴダの王子』の舞台美術は、ブリテンの現代的な音楽、日本の精神性、バレエの持つ神秘な世界など様々なイメージを、ビアスリー/ウィリアム・モリス/歌川国芳の絵を基に描いたとの話があり、TVモニターを使って各場面毎のデザイン画がTVモニターに映し出されました。また、英国での制作風景の映像もたっぷり紹介されました。
お客様は熱心に聞き入り、「エキサイティングなイベントだった。」「作品の歴史、制作の過程等を知ることができ、大変興味深かった。」「作品の着想が面白い。観劇の楽しみが増えた。」「制作の裏側を見ることができてとても面白かった。こういう催しをもっと開いてほしい。」などの感想をいただきました。
トークは大盛況でした。 |
なお、会場の左奥には第3幕の舞台装置模型、右奥のパネルには衣裳デザイン画が展示され、イベント終了後には多くのお客様が見入っていました。
『パゴダの王子』第3幕舞台模型 | 『パゴダの王子』衣裳デザイン画 |
※イベントの模様はUSTREAMでご覧になれます!
http://www.ustream.tv/channel/pagodas2※バレエ「パゴダの王子」特設サイトは
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