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2011年9月22日

尾高忠明×ウェールズ・ナショナル・オペラ『サロメ』(1991年)
英国オペラ誌『Opera』で大絶賛

【『サロメ』公演の指揮を予定しておりました尾高忠明は、健康上の理由のため出演できなくなりました。】
☛『サロメ』指揮者変更ニュース

 
2011/2012シーズンオペラ『サロメ』で、実に20年ぶりにオーケストラピットに入ってオペラを指揮する尾高忠明芸術監督。
実は、2005年の『マクベス』公演で新国立劇場オペラデビューとなる予定でしたが、今から20年前の1991年ウェールズ・ナショナル・オペラの『サロメ』公演を指揮し、大成功を収めた翌年に首を痛め、首に負担のかかるオーケストラピットから指揮するオペラは当分控えるようドクター・ストップがかかり、新国立劇場での『マクベス』も含め、その後のオペラ指揮から遠ざかっていました。
2010年新国立劇場オペラ芸術監督に就任して1年。体調も戻り、お客様からオペラ指揮への復帰の声も多いことも力となって、数あるオペラの中でも大好きだという『サロメ』の指揮が決まりました。

英国でのオペラ指揮デビューともなった記念すべき『サロメ』公演は、大成功を収めています。この8月、音楽専門誌(※)のインタビューで、オペラ研究家の岸 純信さんが20年前の英国オペラ誌『Opera』に、指揮者 尾高忠明への熱烈な賛辞が並んだ公演評が掲載されているというビッグニュースを持ってきてくださいました。これには、尾高監督自身もビックリ仰天。
記事掲載に関して問い合わせた『Opera』編集からも、公演の成功とマエストロ尾高へのエールが届きました。
(※)『ぶらあぼ』2011年10月号40ページ

10月9日(日)初日を迎える『サロメ』公演にどうぞご期待ください。


公演情報ページは下記をご参照下さい。
☛『サロメ』公演情報
☛『サロメ』特設サイト :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
【ウェールズ・ナショナル・オペラでの《サロメ》批評(『Opera』誌/1991年8月号)より抜粋】
(歌手の歌唱について、論評した後で…)
公演は尾高忠明の鋭い感性による指揮で、これが英国でのオペラ指揮デビューであった。尾高はBBCウェールズ交響楽団首席指揮者を就任後数年間で、英国屈指のオーケストラの一つに育て上げ、さらにこのシュトラウス作品解釈によって彼自身の大成功へとつながった。尾高は、シュトラウスの濃厚な譜面に対して、それは細かい音にも注意をはらう鋭い聴力と、クライマックスへ盛り上げていく天性の力で臨み、演奏会会場における彼の秀逸さを存分に際立たせた。そしてウェールズ交響楽団から力強く途絶えることのない音の流れを引き出し、その瞬間、楽団を最高の形へと導いていったのである。それでいて、歌声によって生み出される産物を決して息詰まらせることはない。 
これこそが、実は、この公演の夜に成し遂げられた本当の大成功だったのだ。
                                                 KENNETH LOVELAND

指 揮:尾高忠明
演 出:アンドレ・アルゲン(エンゲル)
サロメ:ステファニー・サンダイン
ヘロデ:ニール・ジェンキンス
ヘロディアス: エリザベス・ボーン
ヨハナーン : フィリップ・ジョール

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指揮:尾高忠明

『サロメ』(2002年公演より)