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2011年3月31日

東北関東大震災の被災者の皆様へのお見舞いと
4月からの公演再開について

 このたびの東北関東大震災による犠牲者の皆様のご冥福をお祈りするとともに、被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 3月11日の地震発生時、新国立劇場では、中劇場でオペラ研修所の修了公演「外套」の上演中でした。かなりの揺れが長い間続きましたが、揺れがおさまった後、中劇場の外にお客様を誘導しご待機いただきました。当日は、交通機関の混乱によりお帰りになれないお客様、そして一般の帰宅困難者、あわせて約200名の方が新国立劇場で一夜を過ごされました。お客様に怪我もなく、大きな混乱なく地震直後の緊急事態に対応することができたと認識しております。

 週が明け、3月14日に改めて今後の対応を検討し、地震の影響が多方面にわたり極めて甚大であることから、3月中に予定しておりました主催公演及び貸劇場公演をすべて中止とする決定を行い、発表いたしました。

 新国立劇場の開場以来、主催公演を中止したのは初めてのことでありますが、事態の重大性を考えますとやむをえない苦渋の選択でありました。公演を楽しみにしていらしたお客さまには大変なご迷惑をおかけしましたが、なにとぞご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 今回の大災害に際して、劇場として出来ること、果たせる役割は、芸術の力を通じて復興を支援することだと考えております。被災地の皆様に元気を取り戻していただくために、適切な時期を見て、新国立劇場合唱団による被災地でのお見舞いコンサートを検討していく予定です。

 この劇場に出演した海外の歌手、アーティストの皆様や、世界各国の劇場からも、被災者の皆様のことを案じ、復興を願うメッセージ、劇場への応援のメッセージが多く寄せられています。また、何らかの形で役立てて欲しいと寄附の申し出もいただいております。お客様からもさまざまな励ましや温かいお言葉を頂戴しております。

 なお、新国立劇場では4月から全ての公演を再開させて頂きます。お客様の安全確保に万全を期し、節電を図りつつ、文化・芸術の持つエネルギーが復興の力となることを信じて公演をお届けしてまいります。

 4月以降の直近の主催公演は下記のとおりです。
  ■オペラ公演「ばらの騎士」(4月10日(日)〜22日(金)・全5回公演)
      ※4月7日(木)につきましては公演中止とさせていただきます。(詳細はこちらをご覧ください)
  ■バレエ公演「アラジン」(5月2日(月)〜8日(日)・全7回公演)
  ■演劇公演「ゴドーを待ちながら」(4月15日(金)〜5月1日(日)・全17公演)

 最後になりますが、今回の震災により多くの困難に立ち向かわれている被災者の皆様と心を共にし、一日も早い復興を心からお祈りしたいと思います。

新国立劇場運営財団
理事長 遠山敦子

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芸術監督からのメッセージ


あの瞬間、僕は中劇場でオペラ研修所の修了公演を観ていた。「外套」の最後にさしかかった時、あの地震に遭遇した。直ぐに避難して劇場の防災センターに行った。震源は宮城の方だという。
「あちらではさぞ大きかったのだろう。津波は?」と思った。
まさか、ここまでの大惨事になるとは。
お亡くなりになった方々、すべてを失った方々、直ぐにでも現地に飛んでいき、瓦礫の一つでも撤去したい衝動にかられた。
その後、僕たちの『マノン・レスコー』を中止せざるをえない厳しい現実が待っていた。近年の上演の中でも明らかにトップクラスの出来だっただけに、本当に悔しかった。毎日、暗いニュースが続いている。オペラも、演奏会も中止が相次いでいる。 どんどんマイナス思考になってきている。
これでは駄目だ。プラス思考で行かなくては。どの様な事があっても『ばらの騎士』を上演したい。強い気持ちとは裏腹に現実は大変だった。来日を前に、キャンセルしたいという外国人も出てきた。僕自身、落ち込みかけたが、やはり自分で「瓦礫を拾いに」行くのではなく、僕たち音楽家は素晴らしい公演を行う事によって、日本を元気づけよう。そして募金活動で少しでもお役に立ちたい。
本当に日本の復興のために、すべての日本人が気持ちを一つにベストを尽くす。僕たちは頑張ります。

尾高忠明オペラ芸術監督



私がこれを書いている今も、東京には美しい青空が広がっています。ここにいると、先週金曜日、3月11日に日本を襲った壊滅的な大災害の片鱗すらうかがい見ることはできませんが、見かけの平穏さとは裏腹に、太平洋沿岸地域からは悲惨な映像が流れてきます。私たち新国立劇場バレエ団一同、この大惨事で直接被災された何十万人もの方々のことを思い、祈りを捧げています。
今回の惨禍を踏まえ、また現在の状況が不透明であることから、新国立劇場では、今月末までの全公演のキャンセルを決定いたしました。お客様を落胆させてしまうこととは思いますが、私たち団員も、この数カ月間の厳しいリハーサルの成果をお見せできないことを、皆さまと同様に残念に思っております。
しかしながら、日本がこの災害から必ずや立ち直っていくように、新国立劇場バレエ団も、この試練によって一層成長し、再び皆様の元に戻って参りたいと存じます。 (3月16日)

デヴィッド・ビントレー舞踊芸術監督



 この度の大震災において亡くなられた多くの方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。そして、被災された方々が一日でも早く、平穏な生活に戻られることを、切に願っています。
 大自然の猛威の前に、人間はいかに無力にならざるを得ないか…、その厳しすぎる現実に足がすくみます。
 又、事実だとは思いたくない原発の状況が日々報じられる中で、享受していた意味において加担者である我が身を、苦く責めるばかりです。
 復興に向けての長い道のりの上で、今まさに粘り強い精神力、体力、知力が問われているのかもしれません。
 人間を愛し、その可能性を信じる演劇人として、今、新国立劇場演劇の私達ができることは、舞台を通して「人間力」を発信していくことしかありません。
 目下、「ゴドーを待ちながら」の稽古が、4月15日の初日に向けて着々と進んでいます。「焼肉ドラゴン」の全国公演も出発します。
 深い祈りの心とともに、ひとつひとつの演目を丁寧に作り続け、少しでも、観て頂いたお客様の、勇気の糧となりたい、人間力の糧となりたいと、心から願っています。

宮田慶子演劇芸術監督

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海外からのメッセージ

これまでに新国立劇場に関わっていただいた世界各国の歌手、アーティストの皆様や劇場関係者から、被災者の皆様へのお見舞いと復興を願うメッセージ、劇場への応援のメッセージをいただいておりますので、ご紹介申し上げます。(敬称は略させていただいております)

国家大劇院 院長 陳平
中国国家話劇院 院長 周志強
韓国 芸術の殿堂
財団法人国立劇団 芸術監督 ソン・ジンチェク
財団法人明洞芸術劇場 劇場長 具滋興
韓国公演芸術センター Hanpac理事長 チェ・チリム
ウィーン国立歌劇場 総裁 ドミニク・マイヤー
ウィーン国立歌劇場 前総裁 イオアン・ホーレンダー
バイエルン州立歌劇場総監督 ニコラウス・バッハラー
バイロイト音楽祭 総監督 エヴァ・ワーグナー
ベルリン・ドイツ・オペラ オペラ監督 クリストフ・ゾイフェレ
シュトゥットガルト州立劇場 オペラ監督 エヴァ・クライニッツ
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
ジョン・F・ケネディ・センター
アジア太平洋パフォーミングアーツセンター連盟
イスタンブール文化芸術基金 事務局長 ディクメン・ゴラン
モンゴル国立ドラマ劇場 副館長 ナムスライ・ソブド

ジルベール・デフロ(演出家「マノン・レスコー」)
グスラーヴォ・ポルタ(歌手「マノン・レスコー」)
ダリボール・イェニス(歌手「マノン・レスコー」)
クリスティアン・フランツ(歌手「サロメ」10月出演予定)
フィリップ・アルロー(演出家、美術家「アラベッラ」「アンドレア・シェニエ」)
ウルリッヒ・ペータース(演出家「イル・トロヴァトーレ」)
ハンス=ペーター・レーマン(演出家「ナクソス島のアリアドネ」「エレクトラ」「タンホイザー」)
コンスタンティン・トリンクス(指揮者「ドン・ジョヴァンニ(2008)」「ラ・ボエーム(2012)」)
タマ―ル・イヴェーリ(歌手「オテロ(2009)」)
ミヒャエラ・ゼーリンガー(歌手「フィガロの結婚(2010)」)
タチアナ・リスニック(歌手「愛の妙薬(2010)」)
トーマス・ノヴォラツスキー(新国立劇場オペラ元芸術監督)
ポール・フェリントン(オペラ研修所招聘講師、英国ロイヤルオペラJPYAP講師)
デイヴィッド・ガウランド(オペラ研修所招聘講師、英国ロイヤルオペラJPYAP芸術監督)
マーティン・カッツ(オペラ研修所招聘講師、ミネソタ大学教授)
マリア・フランチェスカ・カヴァッツァ(オペラ研修所招聘講師、声楽家)
ガブリエッラ・トゥッチ(オペラ研修所招聘講師、声楽家)
クリスチーナ・ラーキ(オペラ研修所招聘講師、声楽家)
ブライアン・マスダ(元オペラ研修所ヘッドコーチ、コレペティトゥア−)
ブレンダ・ハーレー(元オペラ研修所講師、コレペティトゥア−)
クリストファー・ラーキン(元オペラ研修所講師、指揮者)
ホセ・マリア・コンデミ(元オペラ研修所講師、演出家)
リチャード・へザーリングトン(英国ロイヤルオペラJPYAP講師、英国ロイヤルオペラ音楽スタッフ)

スヴェトラーナ・ザハロワ(ボリショイ・バレエ プリンシパル)
ディアナ・ヴィシニョーワ(マリインスキー・バレエ プリンシパル)
リュボーフィ・クナコーワ、エレーナ・エフテーエワ(マリインスキー・バレエ)
タマラ・ロホ(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル)
ローラン・プティ(「こうもり」「コッペリア」振付家)
ロベルト・ジョヴァナルディ(A.T.E.R代表)
ウェンディ・エリス・サムズ(「シンデレラ」振付指導者)
ルイジ・ボニーノ(ダンサー「こうもり」「コッペリア」)
ジャン・フィリップ・アルノ(ゲスト・バレエ・マスター)
ドミニク・ウォルシュ(ダンサー、振付家「オルフェオとエウリディーチェ」ほか)
ドメニコ・ルチアーノ(ダンサー「Wolfgang for Webb」)
デヴィッド・ガルフォース(指揮者「こうもり」「コッペリア」ほか)
エルマノ・フローリオ(指揮者「椿姫」「ライモンダ2004」ほか)
クリスティーン・アンソニー
金子飛鳥 (ヴァイオリニスト、「きらめく背骨」)
ジャン・ミッシェル・デジレ(照明家「こうもり」「コッペリア」)
マーク・ジョナサン(照明家「アラジン」)
針山愛美(ベルリン国立バレエ団)
安川千晶(オーランド・バレエ団)

韓国演劇協会(理事長/朴桂培)
ソウル演劇協会(会長/パク・チャンヨル)
韓日演劇交流協議会(会長/許順子)
ベセト演劇祭韓国委員会(委員長/具滋興)
韓国公演プロデューサー協会(会長/チョン・ヒョヌク)
韓国ミュージカル協会(会長/ソン・スンファン)
韓国小劇場連合会(会長/チョン・デギョン)
韓国演劇俳優協会(会長/カン・テギ)
韓国演劇演出家協会(会長/キム・ソンノ)
韓国演劇評論家協会(会長/許順子)
韓国戯曲作家協会(理事長/キム・テス)
ASSITEJ韓国本部(理事長/キム・ビョンホ)
世界演劇評論家協会(IACT会長/金潤哲)
ITI韓国本部(会長/シン・イルス)
OISTAT韓国本部
ソウル文化財団 社長 アン・ホサン
金正 (演出家、ITI世界本部名誉会長)
金文煥(評論家)
金義卿(劇作家)
蘆 植(劇作家)
朴祚烈(劇作家)
ソ・ヨノ(評論家)
シム・ジェチャン(演出家)
呉泰錫(劇作家)
呂石基(評論家)
李泰柱(評論家)
林英雄(演出家、前韓国演劇協会理事長)
イ・ウンス(世宗大学教授)
ウィリアム・エムリ・ジェイムス(クリューイト・シアター・カムリ、アソシエイト・ダイレクター)
アンネ・ランデ・ぺータス(「ヘッダ・ガーブレル」共同翻訳者)
青鹿宏二(ミュージック・シアター・インターナショナル、アジアライセンスダイレクター)