2010年12月13日
2010/2011シーズンの演劇公演では、シリーズ[JAPAN MEETS…−現代劇の系譜をひもとく−]と銘打って、海外の名作戯曲4作品を連続上演しています。
この企画について、芸術監督の宮田慶子は次のように述べています。「近代以降、日本の演劇は世界の優れた演劇と出会うことで進化を続け、今や縦横無尽に枝を張り巡らせた大木となっています。今こそ、その太い幹をたどり、大きな枝分かれを確認することによって、現在の立ち位置を検証し、未来への財産としたいというのが、このシリーズの趣旨です」
その企画意図を明確に打ち出すために、シリーズ4作品全てで、原語から新たに翻訳して上演台本を作成しました。演出家と翻訳家が推敲を重ねながら台本を新訳することは、大変な手間と時間のかかる作業です。
その結果、これまでに上演された「ヘッダ・ガーブレル」と「やけたトタン屋根の上の猫」では、“台詞が現代の言葉になって、翻訳劇ということを意識せずに観劇できた”“今この時代に上演する意義が伝わった”“名作と言われる戯曲の普遍性を再認識できた”と高い評価を受けることができました。
今回は、早川書房『悲劇喜劇』編集部のご協力により、「ヘッダ・ガーブレル」から「わが町」までの3作品の新訳戯曲を、同誌に連続掲載していただいています。すでにご覧になった作品や、これからご観劇になる作品を、より深く理解し楽しむことができるでしょう。
日本演劇界が注目する[JAPAN MEETS…]シリーズは、今後1月の「わが町」、4月の「ゴドーを待ちながら」と続いていきます。新国立劇場ならではの意義深く挑戦的な企画に、これからもご期待ください。
![]() 『悲劇喜劇』2010年9月号 | ![]() 『悲劇喜劇』2010年12月号 |
![]() 『悲劇喜劇』2011年1月号 |