2010年3月26日
ヴォルフガング·ワーグナー氏ご逝去の報を受けて
哀悼の辞〜ヴォルフガング·ワーグナー氏ご逝去の報を受けて〜3月21日、ヴォルフガング·ワーグナー氏がバイロイトのご自宅で逝去されました。享年90歳でした。氏はドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの孫で、バイロイト祝祭劇場の総監督を長年務められました。
新国立劇場は、氏が総監督であった頃からバイロイト祝祭劇場と大変深い関係にありました。
新国立劇場では、1997年開場記念公演オペラ「ローエングリン」の演出を氏に依頼し、故・若杉弘氏の指揮により上演しました。氏の美しく深遠な新演出によりワーグナーのオペラ「ローエングリン」を上演できましたことは、開場間もない新国立劇場にとりまして、とりわけ大きな名誉でもあり、またその経験は貴重な財産となりました。
また、その後も新国立劇場におけるワーグナー作品には、いつも温かい励ましのお言葉をいただいておりました。
トーキョー·リングでは、アドヴァイザーとして並々ならぬお力添えをいただきました。特に、初演の際にはご来場の上、お褒めの言葉も頂戴しました。この度の再演においても多大なるご助言をいただいておりましたが、まさにそのトーキョー·リングの最後の作品である「神々の黄昏」の公演中に、氏の訃報に接することになろうとは思いもよらぬことでした。
ここに新国立劇場より謹んで哀悼の意を表し、ヴォルフガング·ワーグナー氏が安らかな眠りにつかれますよう 心よりお祈り申し上げます。
2010年3月22日
新国立劇場運営財団
 ヴォルフガング·ワーグナー氏(バイロイト祝祭劇場前総監督) |