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2008年2月12日

熱望された、感動の舞台がついに再演!!

岸田國士の初期戯曲二本を鮮やかに「現代劇」によみがえらせ、演劇界に岸田戯曲、ひいては近代戯曲を再評価する波を起こした舞台が戻ってくる。2005年秋の初演に対する、多くの賞賛の声と数々の賞を受けて、全国公演を含む待望の再演が実現した。
現代に生きる私たちの魂を揺さぶる舞台になること間違いなし。ぜひお見逃しなく!

2005年秋
第13回読売演劇大賞優秀作品
同        優秀演出家賞(深津篤史)
同        優秀女優賞(七瀬なつみ)
第40回紀伊國屋演劇賞個人賞(七瀬なつみ)
第33回伊藤熹朔賞(池田ともゆき<美術>)

 

色褪せない作品性
権威ある戯曲賞に名前を冠せられるほどの存在でありながら、近年は作品を観る機会が少なかった岸田國士。その初期の名作二本を同じキャスト、異なる演出家によって同時上演したのが今公演の大きな特長だ。さらに、従来は新劇系で取り上げることの多かった岸田作品を、役者・演出とも多彩な出自の新鮮なカンパニーで上演し、「“新劇”以降の若い世代が岸田國士をどう見せるか、期待と懸念が合い半ばだったが、結果はまったく予想以上、懸念無用の上出来だった」(「テアトロ」2006年2月号・江原吉博氏評) という成果を残した。
「二本合わせても上演時間が二時間足らずの短編だが、観劇後の手応えはずしりと重い。岸田の人間を見る目の確かさと、戯曲が少しも色あせていないのを痛感する。とりわけ『動員挿話』にその感が強く、手をかざせばヤケドするようなアクチュアリティーとリアリティーがある」(「朝日新聞」2005年11月5日夕刊・大笹吉雄氏評)
「『屋上庭園』は、大正時代のデパートの屋上だし、『動員挿話』は明治37年、日露戦争の話だが、まことに新鮮かつ現代的である。前者は資本主義の論理が、いかに人間の内面を退廃に追い込むかを鮮明に描いて、今日の金の亡者たちへの批判になっている」(「テアトロ」2006年1月号・渡辺保氏評)

 

企画、演出、演技、美術とあらゆる面で評価
旧友同士の何気ない会話で構成された『屋上庭園』、戦争出征という緊迫した状況を題材にした『動員挿話』と、対照的な二作を併演したことが、戯曲の本質をより浮き彫りにした。前者の演出を丁寧な心理描写に定評のあるベテランの宮田慶子、後者を岸田戯曲賞受賞劇作家でもある気鋭の深津篤史が手がけ、主要な男女四人の役を同じキャストで、「力関係を逆転させた配役で演出し、前の芝居の余韻も計算に入れて展開した」(「朝日新聞」大阪本社版2005年11月16日夕刊・小堀純氏評)という形で上演したのも効果的だったといえよう。全くタイプの違う役柄を別々の演出家のもとに続けて演じるという高いハードルを、見事にクリアした役者陣の功績は大きい。中でも七瀬なつみは「数代役の七瀬なつみの演技が冴える。前半の『屋上庭園』での、三輪の妻の花やかな有閑マダム風の演技とはまるで違う演技への転調も見事だ」(「ダンスマガジン」2006年1月号・扇田昭彦氏評)

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ボックスオフィス 03(5352)9999 https://www.nntt.jac.go.jp 


全国公演
●兵庫公演(兵庫県) 3月15日(土)・16日(日) 14時
兵庫県立芸術文化センター 中ホール
●可児公演(岐阜県) 3月20日(木・祝) 13時30分
可児市文化創造センター 主劇場