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2007年2月8日

「如風 〜inside of wind〜」開幕迫る!
舞台稽古本格的にスタート!

前衛には根源性があり、伝統は革新の連続である

2月10日に初日を迎えるコンテンポラリーダンス公演「如風〜inside of wind〜」の舞台稽古が本格的にスタートしました。

当公演は演出・構成に能の大鼓方の大倉正之助、音楽にネイティヴ・アメリカンのロバート・ミラバル、振付に野坂公夫、武元賀寿子、内田香、舞台美術にNDTの舞台美術も手掛けた建築家北川原温を起用、ダンサー総勢35名が出演する豪華で密度の濃い公演となります。
どうぞご期待ください。

■伝統と前衛が語りかけるもの
――ダンステアトロンNo.15は、人間の根源的なものや、自然などとのかかわりに、「舞う」というところからその発展である前衛コンテンポラリーダンスまでを一堂に見せることで、揺らいで見えてくる人間の過去、現在、未来を浮かび上がらせる新企画。大鼓という伝統打楽器を通じて日本文化の素晴らしさを世界に発信している大倉正之助を構成・演出に迎え、様々なアーティストとのコラボレーションによる斬新で創造性あふれる舞台が中劇場に現れます。

前衛の最前線は、逆に根源的な要素と結びつきます。前衛の試みは伝統の一番根っこのようなものが前衛の中になければ、生命力が立ち上がってこないのでしょう。逆に伝統とは革新の連続です。しかし、現代では伝統本来の意味が形骸化されつつあります。この作品では、伝統の中で形骸化された根源的なもの、人間の存在、意義、力、可能性、意思、祈り、信仰など、人間の一番もとにあるものを表現したいと思います。作品では、「万物の生成」という始まりがあり、「地球の人間達による混沌」が起こり、「再生と調和」が生まれるという序・破・急の構成をとります。伝統と前衛の境をどんどん越えていき、混沌の中から掘り下げることで、新しいものが見えてきます。共演者とがっぷり組み合い、自分の土台を見つめ直しながら、新しいものを生み出そうと考えています。

大倉正之助

▲(左奥から)野坂公夫、大倉正之助、
内田香、武元賀寿子