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2006年4月27日

「Into the Woods」
マスコミ向け公開稽古の模様 第2弾

4月17日、公開稽古に集まった取材陣を前に、演出家の宮本亜門さん、そして出演者を代表して諏訪マリーさん、小堺一機さん、高畑淳子さんがごあいさつしました。

前列左より 宮本亜門さん、高畑淳子さん、小堺一機さん、
諏訪マリーさん、天地総子さん、矢崎広さん、宮本せいらさん

 

宮本亜門さん:2年ぶりの再演ですが、再演というものには、それだけますます面白くしたいという意気込みがあります。今日は稽古も始まったばかりで、まだお見せする段階ではないのですが、ぜひまた皆さんにも劇場に足を運んでいただきたいと思いまして、このようなことをやりました。劇場でお待ちしています。ありがとうございます。

諏訪マリーさん:2年前は歌がまず本当に大変だったのと役柄が私にとって大変だったので無我夢中だったのが、今回はすこーし楽になるかと思ったんですが…リハーサルが始まったらこんな調子で、歌ももっと難しく感じているし、お芝居も演出家がこうやってどんどん変えてくれるので…また新しい解釈もいただけるんですけど…私も新しい挑戦だなと思って、曲も役柄も前向きに取り組んでいきたいと思っています。
とにかくこの作品が大好きなので、ぜひまた沢山の方に観ていただきたいなと、心の奥底から思っています。

小堺一機さん:再演というのは「再び演じる」と書きますが、「再び」というのは前を覚えているから言えることなんですよね。今回稽古をしてみたら何も覚えていなかったというのが、日々わかってきました。でも逆に初演のつもりになれるなとプラスに解釈して、がんばります。
これから、亜門さんのマネを含めて(!)、日々、楽しい稽古をし、いつの間にか幕が開いて、そしてほめられたらいいなと思っています。

高畑淳子さん:このカンパニーを信じて、この作品をできることを喜びとして、この第三次産業が皆様の何かの思い出の1ページとなるように、この一つの家族で船出をしたいと思っています。このカンパニーとここにいられることを、私は本当に幸せに思っています。初心に戻って、死ぬ気でやります!

 

その後取材陣からの質問に答え、演出の宮本亜門さんからは、「赤ずきんちゃんとかジャックとか、若い新しい人たちも参加しているんですけど、正直言うとこのミュージカル、年齢層が高いの! でもこれがとても味があって、それぞれの人生経験がそれぞれのグリムのキャラクターの形でぶつかりあって出てくるので、僕はそれが本当に素晴らしいと思うし、楽しみです。世代を超えて、感動を日本中にと思っています。」とのコメント。

そして作品について、「1幕はおとぎ話だけど2幕はその先。おとぎ話のふりして、すごくドロドロした嫌な話が始まるんですよね。糖衣錠のようなミュージカル。甘いのに中味は苦い、みたいな。2幕をやるための1幕、1幕は2幕への偉大なるフリですから」(小堺一機さん)、「よい所も悪い所も含めて、人生を見つめる目が優しいんですよね。私たちパン屋夫婦も、いろいろな愛の形があるんだな、愛の原形だなと納得します」(高畑淳子さん)、「グリム童話なんですけど、生きるとは、死ぬとは、愛情、いろいろなことが入っている。特に今、時代はこんなにきりきりしてしまっているので、人間の愛情、こうやって生きていていいんじゃないの、という奥深い所に流れるテーマがあるこの作品は、子供たちにも見て欲しいけど、ぜひ、大人に見てもらいたいですね」(宮本亜門さん)とそれぞれ魅力を語りました。

「皆さんとても仲がいいみたいですが、休憩中はどうされているんですか?」との質問に、小堺一機さんから「亜門さんがその前にやった演出をマネして見せたりしてますね。例えば…」と、モノマネが飛び出す一コマも。そのほか、「舞台がものすごく広くて、体力が大変!」「老骨に鞭打ってます」「全員放し飼いみたいな稽古場ですねー」と裏話も次々に出て、会見を終わりました。


「Into the Woods」は、5月19日(金)初日に向け、連日稽古を重ねています。
お見逃しなく!