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出演者のワークショップが行われました

先週10日(水)と12日(金)に、「わが町」の出演者によるワークショップが行われました。

参加したのは、中村倫也さんと佃井皆美さん、そして、町の人々などを演じる「わが町」ボーイズ&ガールズさいたまゴールド・シアターの皆さんです。下は18歳から上は81歳までの20名以上が、演出の宮田慶子の指導のもと、様々なプログラムに取り組みました。その一部をご紹介します。


↑全員で輪になって手をつなぎ、右隣の人の手を握って信号を伝えていくプログラム。信号の数が3つにまで増えていくと、両手に全神経を集中させた参加者の表情は真剣そのもの。こうして集中力を高めていきます。


↑二人一組になって、見えないものを互いに投げ合うプログラム。最初はただのキャッチボールだったのが、バスケットボールになり、生卵になり、地球上で最も重い物質になり…。相手の動きをしっかり観察してコミュニケーションを取ることの大切さが分かってきます。


↑一人ずつ「わが町」の台詞やト書きを読むプログラム。中劇場の大きな空間で後方の客席まで届けるように意識して声を出す練習です。「“千回”というのは、自分にとって多いのか少ないのか、考えて言ってみよう」「もう少し低い音が地声だから、その方が観客に説得力をもって伝えられる」など、宮田の的確なアドバイスでみるみる台詞が生きたものになっていきました。

世代の異なる俳優同士がチームを組み、呼吸を合わせ、一緒に体を動かした2日間。そのおかげで新しい発見があり、相乗効果が生まれる、とても意義深いワークショップになりました。

そして今週19日(金)には、出演者・スタッフが全員そろっての顔合わせ。いよいよ本格的な稽古がスタートします。この模様はまたブログでご報告しますので、お楽しみに。(ま)

第一回  21世紀のソーントン・ワイルダー

 今回から、毎週水曜日にソーントン・ワイルダーや『わが町』のことを書きます翻訳を担当した水谷八也です。水曜ワイルダー約1000字劇場、よろしくお付き合い願います。

 さて、2010年はなぜかワイルダーの当たり年でした、生誕113年という中途半端な年なのに。10年から11年にかけて上演された(る)『わが町』は、わたしたちのものを含めると6本になり、さらに若い劇作家、柴幸男さんと演出家の中野成樹さんが「ワイ・ワイ・ワイルダー!」という企画を立ち上げ、4月から1年間、集中的にワイルダーの戯曲を上演しています。
 柴さんや中野さんのような若い演劇人が、これまでの劇団の養成所の発表会で上演されるのとはちょっと違ったスタンスで、ワイルダーの演劇観をかなり本気で面白がっている、ということを日本の現代演劇に詳しい8年生の学生から聞いたのは去年のことでした。「へぇー」と思うと同時、心のどこかでその動きに対して、「そうだよねー」と深く納得できる部分もありました。なぜ納得できる部分があったのか、これを説明するのはかなりの時間が必要なんですが、このブログであちこち寄り道をしながら、説明できればと思ってます。
 ワイルダーは、劇作家で、小説家で、批評家で、演劇研究家でもあった人です。ピュリッツァー賞も小説で1回、演劇で2回受賞していて、二つの分野でこの賞を取ったのはワイルダーくらいでしょう。でもオニールやウィリアムズ、ミラーに比べると地味な感じがするし、研究書もそんなにあるわけではありません。
 しかしアメリカで一番上演回数の多い戯曲は、アマチュアも含めれば、『わが町』だと言われています。1938年の初演以来、各国語に翻訳され、一時は地球上で『わが町』が上演されてない夜はない、と言われたほどです。ひょっとすると日本でも劇団の研究生の発表などを含めたら、その上演はかなりの頻度だと思います。でもその割に、ご本人に関しても作品に関しても、あまり語られるチャンスはありませんでした。程度の差はあるにせよ、この矛盾はアメリカでも日本でもほぼ同じ現象です。上演する作品としては人気がありながら、軽い扱いしか受けないのは、アマチュアのための作品だと思われているからかもしれません。でも簡単に「理解」できてしまうから、底が浅いとは限りませんよね。この戯曲には、演劇史と演劇知が絡み合い、歴史の先頭(現在)にいる「わたし」の姿を見せてくれるようにできています。その仕組みを、来週からボツボツと・・・。

「水曜日は水谷先生の日」いよいよスタート!

皆さま、こんにちは。

この度の「わが町」、稽古場の様子などを皆様にをお伝えする大任を仰せつかりました現場担当「(も)」と申します。よろしくお願いいたします。

さて、今回の「わが町」を翻訳してくださったのは早稲田大学の水谷八也さん。お話をさせていただく機会も多いのですが、とにかくワイルダーが大好きな方なんですね。ワイルダーの話をしてくださると止まらない!そして、ものすごく面白い!楽しい!

こんな楽しくて素敵なお話を、私たちだけが聞くなんてもったいない!!!

ということで、ブログという形ではありますが、ワイルダーのこと、わが町のこと、書いて頂けないでしょうか?とお願いしたところ、

「いいよ! どうしようか? 何の話から書き始めようか!」

とご快諾いただいたのです!!!

皆さまにも覚えていただくために「”水”曜日は”水”谷先生の日」と勝手に定めさせていただき、本日より12回にわたってワイルダー、そして「わが町」についての連載が始まります。

水谷先生による、その名も「水曜ワイルダー約1000字劇場」、

しつこいようですが、更新は毎週”“曜日です(^-^)

どうぞお楽しみに!!! (も)

明日は出演者のワークショップを開催

明日10日(水)と12日(金)は、「わが町」出演者のワークショップが行われます。

参加するのは、物語の軸となる若いカップル・エミリーとジョージを演じる佃井皆美さんと中村倫也さん、「わが町」ボーイズ&ガールズと呼んでいる若者たち、そして、さいたまゴールド・シアターからご出演いただく皆さんです。

ちなみに、「わが町」ボーイズ&ガールズとは、今年3月に行われたオーディションで選ばれた若者たちで、主に町の人々を演じます。具体的な舞台装置や小道具を用いない「わが町」を演じるに当たり、6月からワークショップを重ねてきました。

また、さいたまゴールド・シアターというのは、彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の蜷川幸雄さんが率いる、55歳以上の団員による演劇集団です。蜷川さん以外の演出でまとまって8名もご出演いただくのは、今回初めてのことになります。

文字どおり老若男女入り混じってのワークショップ、どんなものになるのかまた改めてご報告します。

さて、明日は水曜日。今回の「わが町」の翻訳家で、早稲田大学教授の水谷八也先生のスペシャルエッセイを掲載します。これを読めば、「わが町」が10倍楽しめること間違いなし! 「水曜日は水谷先生の日」ということで、毎週更新していきますので、どうぞお楽しみに。 (ま)

稽古場の様子やこぼれ話をスタッフがお伝えします

熱気あふれる稽古場の様子やこぼれ話をスタッフがお伝えします。毎週水曜日は、翻訳の水谷先生のスペシャルエッセイを掲載。どうぞお楽しみに。

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