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「フリック」が初日を迎えました

演劇フリックが初日を迎えました。

 

新国立劇場演劇2016/2017シーズンのオープニングを飾るのは、2014年ピュリッツァー賞を受賞したアニー・ベイカー作「フリック」です。

 

"flick"とは、映画や映画館を意味する俗語。舞台はマサチューセッツ州の寂れた映画館。そこでアルバイトをする映画オタクでナイーブな黒人青年エイヴリー、貧困層の白人で映写係になることを夢見るサム、いつも気だるげな映写係のローズら、等身大でチャーミングな今時のアメリカの若者たちの日常を描きます。

人種や貧困問題など現代アメリカ社会を背景にしつつ、どの国でも変わらない普遍的な若者ならではの悩みをさまざまに描き、アメリカだけでなく、この春イギリスのナショナルシアターでも上演され評判になった話題作です。

 

新国立劇場には14年ぶりの登場となるマキノノゾミの演出によって、登場人物たちの心の機微を細やかにとらえたリアルかつハートウォーミングな舞台が立ち上がりました。木村了、ソニン、菅原永二らの人種を超えた熱演にも注目です。話題作の日本初演にご期待ください。

 

(右より)木村 了、ソニン、菅原永二

 

 

開幕前日の出演者のコメントもお届けします!作品への意気込みが伝わります。

 

木村 了

僕の演じるエイヴリーは黒人で映画オタクで、人とコミュニケーションをとるのが苦手。その彼が映画館のアルバイトでどう成長していくのか?という所がこの作品の肝になります。役作りのために日サロに8回も通いました!でも演出のマキノさんはまだ満足してくれなくて...(笑)。家で鏡を見るたびに「おぉっ...」ってなります。翻訳がとてもきめ細かいこともあって、日本のお客様にもクスッとしていただける場面が多いと思います。楽しんでいただきたいです。

 

ソニン

私が演じるローズは白人の24歳。彼女もある意味コミュニケーションが得意じゃないところがあって、強がってはいるけれど実は愛情に飢えているキャラクター。役作りとしては、初めて鼻ピアスをつけてます。髪も緑色。白人か黒人か、という人種の問題もこの作品の大きなテーマなので、忠実にやりたいと思っています。ほぼ3人芝居なのでセリフの量がすごいのですが......プレッシャーと闘いながら頑張ります!

 

菅原永二

僕の役、サムも白人で35歳。いわゆる"プアホワイト"で、学歴も無く貧しい。田舎暮らしで夢も希望も無いけれど、それでも日々に幸せを感じている、平凡な人物です。僕は腕に大きくタトゥーを入れていますが...了君の日焼けと違ってペイントです(笑)。翻訳モノですが、とても分かりやすい等身大の作品です。


 

 






舞台模型(美術:奥村泰彦)
実際に座って撮影いただけます
劇中に登場する映画のパンフレットを展示中