演劇公演関連ニュース
『スリー・キングダムス』全キャスト・公演詳細発表!

イギリス演劇界の奇才 サイモン・スティーヴンスが描く、現代社会の闇を深くえぐる衝撃作『スリー・キングダムス Three Kingdoms』が、2025年12月、新国立劇場 中劇場にて日本初演を迎えます。
ロンドンのテムズ川で発見された女性の他殺体。この殺人事件を追う二人のイギリス人刑事は、捜査を進めるうちに、ヨーロッパ全土に広がる国際的な人身売買組織の存在にたどり着きます。ドイツ、そしてエストニアへと舞台を移し、国境と言語の壁を越えながら、彼らは資本主義の裏に潜む人間の暗部と対峙していくことになります。
この作品は、イギリス、ドイツ、エストニアの3カ国のクリエイターによる共同制作プロジェクトとして誕生。イギリスでの初演時は、俳優も3カ国から集結し、三言語(英語、ドイツ語、エストニア語)が入り混じり、登場人物同様に、観客をも混乱の渦へと引き込みました。
単なるミステリーの枠を超え、善と悪の曖昧さ、グローバリズムと資本主義がもたらす影、そして人間の尊厳を深く問いかけます。イギリスでの初演時にはその挑戦的な内容が賛否両論を巻き起こし、大きな話題となりました。
今回、日本初演の演出を担当するのは、新国立劇場演劇芸術参与の上村聡史。上村は、過去に二回、サイモン・スティーヴンスの戯曲を手掛け、作品が投げかける同時代性に大いに共感しており、現代社会への鋭い眼差しを持って本作に挑みます。
この度、全キャストおよび公演詳細が決定いたしました!
物語の発端となる、猟奇的な殺人事件を捜査する、主人公のイギリス人刑事イグネイシアス役に伊礼彼方。新国立劇場主催公演には、2016年上演の『あわれ彼女は娼婦』以来の出演となります。またその相棒の刑事、チャーリーには浅野雅博。事件を追っていく先で出会ったドイツ人刑事シュテッフェンに伊達 暁、イグネイシアスのパートナー、キャロラインには夏子。そして、観客と舞台をつなぐミステリアスな存在として音月 桂が出演。他に佐藤祐基、竪山隼太、坂本慶介、森川由樹、鈴木勝大、八頭司悠友、近藤 隼の出演も決定しました。
上村聡史と総勢12名のキャストが織りなす、この3カ国にまたがる壮大なサスペンスにどうぞご期待ください。
上村聡史(演出)コメント
デヴィッド・リンチ監督の映画『インランド・エンパイア』から影響を受けた、本作。
顔のない死体が発見された事件から端を発していくこの物語は、サスペンスホラーの体裁を取りながら、どこか悪夢に導かれていくような様相を呈していきます。演劇の魅力のひとつでもある魔術的な陶酔を、演出でいかんなく醸し出していくとともに、ヨーロッパ、いわゆる先進国の闇を恐怖として感じてもらえるような、2025年の演劇界で、攻めた作品を披露できればと思います。
伊礼彼方(イグネイシアス役)コメント
サイモンさんの戯曲を上村さんの演出で。しかも新国立劇場という格式高い破壊力。それに加え、ヨーロッパで国際的問題となっている人身売買をテーマに探偵モノ?ミステリー?不条理?
人間の奥深くのドス黒い闇にまみれた純粋な動機がもたらす悲劇。
各国の文化の違いや言語のズレから生まれる不協和音。
己の正義と向き合った結果の情欲。
ロンドンでは3カ国語字幕付きで上演されたと聞いています。
上村さんがこの世界観をどう演出されるのか?
そして素晴らしい俳優の皆様とご一緒した時に何が生まれるのか!?
今から楽しみで仕方ありません。
12月には似つかわしくない内容かもしれませんが、ぜひ今年最後に「とんでもない」どんでん返しを味わいに来てください。
劇場でお待ちしております。
公演詳細

【公演日程】2025年12月2日(火)~14日(日)
【会場】新国立劇場 中劇場
【作】サイモン・スティーヴンス
【翻訳】小田島創志
【演出】上村聡史
【出演】伊礼彼方、音月 桂、夏子
佐藤祐基、竪山隼太、坂本慶介、森川由樹、鈴木勝大、八頭司悠友、近藤 隼
伊達 暁、浅野雅博
【出演】伊礼彼方、音月 桂、夏子
佐藤祐基、竪山隼太、坂本慶介、森川由樹、
鈴木勝大、八頭司悠友、近藤 隼
伊達 暁、浅野雅博
あらすじ
刑事のイグネイシアスは、テムズ川に浮かんだ他殺体の捜査を開始する。捜査を進めるうちに、被害者はいかがわしいビデオに出演していたロシア語圏出身の女性であることが判明する。さらに、その犯行が、イッツ・ア・ビューティフル・デイの名曲「ホワイト・バード」と同名の組織によるものであることを突きとめる。イグネイシアスは捜査のため、同僚のチャーリーとともに、ホワイト・バードが潜伏していると思われるドイツ、ハンブルクへと渡る。
ハンブルクで、現地の刑事シュテッフェンの協力のもと捜査を始める二人だったが、イグネイシアスがかつてドイツに留学していた頃の不祥事を調べ上げていたシュテッフェンにより、事態は思わぬ方向に進んでいくのであった。
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