演劇公演関連ニュース
2024/2025シーズン『消えていくなら朝』開幕!

社会での最小単位である、家族が織り成す様々な風景から、今日の社会の姿を照らし出し、未来を見つめるシリーズ「光景─ここから先へと─」第3弾の蓬莱竜太作・演出『消えていくなら朝』が7月10日(木)に幕を開けました。
蓬莱が2018年に新国立劇場に書き下ろし、宮田慶子前芸術監督の演出により初演された本作が、フルオーディション企画第7弾として、蓬莱自身の演出で、装いも新たに上演されました。
オーディションを経た俳優陣が長い時間をかけて創り上げた、見事なチームワークで紡がれる、家族間の遠慮のないヒリヒリとした会話の応酬。誰もがきっと、自分自身、そして家族や人との関わりを振り返らずにはいられないほど、リアルに立ち上がった「家族」の姿に、客席からは熱い拍手が贈られました。
『消えていくなら朝』は、新国立劇場 小劇場にて7月27日(日)までの上演です。どうぞお見逃しなく!
蓬莱竜太<作・演出>
とにかく、どのようにこの家族が見えたのか、どう感じたのか、一人一人に聞いてまわりたい気持ちである。観る人の年齢やご家族との距離感によって印象は様々ではないだろうか。どこに観客を連れて行こうとか、何を持ち帰ってもらおうとか、そのような目的が一切ない、僕の作品の中で唯一のものかもしれない。ただひたすら家族の会話に終始する。きっとこれから毎公演、違う夜を越えて違う朝を迎えるのだろうと思います。全ての回が貴重だと思います。
大谷亮介<羽田庄次郎(父)役>
『家族』というものは、我々人間の、最も身近で、最も深く、
実際に血が繋がっていようがいまいが、そこには、愛があり、
我々、六人の役者が演じる『家族』の芝居が、
大沼百合子<羽田君江(母)役>
昨年のオーディションを経て出逢うことが出来たメンバーと共に、時間を積み重ねこの物語を大切に紡いできました。
言い争いばかりの羽田家を演じているうちに、不思議な繋がりや愛おしさが育まれていったように思います。
家族というものも、そういうものなのでしょうか。そんな私たち家族のたった一夜の出来事を、劇場でご覧いただけましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
関口アナン<羽田定男(僕)役>
今日、ひとつの朝を迎えました。
オーディションから1年以上を経て、この日を迎えられること、心から嬉しく思います。
明日からまた夜に戻り、朝がやってきます。
"家族"と"僕"と"彼女"。
6人の思いが交錯する、一夜の物語。
家族だからこそ伝えられなかったこと、気づけないことがある。けれど、続いていく。
この物語も27日まで続いていきます。
どうか羽田家の隣人として、この一夜を見届けていただけたらと思います。
田実陽子<羽田可奈(妹)役>
このチームで無事初日を迎えられましたこと、本当に幸せです。
「家族」を作ることの難しさを日々感じるお稽古でした。
家族の会話のリズム、目線、空気感などは言葉にし難いものです。
初日を終え改めて、千穐楽まで積み上げ続けたいと思いました。
お客様に少しでも他人の家を覗き見する楽しさを感じていただけますように。
本作は、家族や育った環境の数だけ受け取っていただくものが違うと思います。
色々なご感想をぜひ伺いたいです。
ご来場を心よりお待ちしております。
坂東 希<才谷レイ(彼女)役>
この作品はどうしても自分ごとになってしまう時間が多かった気がします。
最初は作品の言葉にたくさん喰らってしまって落ち込むことも多くて、愛とは、家族とは、仕事とは、いろんなことを立ち止まって考える時間になりました。
たまに私的な感情が出てきてしまったりする中で、その瞬間は自己満足になってしまう可能性も秘めていて、そしてそれはすごく寒い話で、やっぱり、表現の仕事をする上で少しでも誰かの日々を良くしたい。そうしたいし、そうあるべきだ。と思いました。
答えのないゴールのない芝居だと思うのですが、稽古の日々を過ごす中で人って本当に大切な人やものには全力でぶつかっていってしまうんだなとそれこそ愛だなと、羽田家をみていてたくさんの愛を感じました。
毎公演誰かの日々を一歩でも前に進められるような時間にしたいなと思います。
松本哲也<羽田庄吾(兄)役>
初日の幕が開きました。オーディションから始まり、


撮影:田中亜紀
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