演劇公演関連ニュース
演劇『イヌビト』にて目や耳に障害を持つお客様への観劇サポートを実施いたしました
8月10日(月・祝)、13日(木)の演劇『イヌビト』(会場:新国立劇場・中劇場)公演にて目や耳に障害を持つお客様向けの観劇サポートを実施いたしました。
新国立劇場では、公演を楽しみにご来場いただいた全てのお客様に、より深い鑑賞体験を得ていただけるようなサービスのご提供を目指しております。
観劇サポート公演は、その一環として2018年に開始し、これまでにも多くの方にご参加をいただいている企画です。
5回目の開催となる今回は、中劇場公演では初の実施となりました。
総勢14名のキャストによる歌やダンスが見どころの一つである本作品を余すところなくご堪能いただくためにも、これまでよりもさらに工夫を凝らした今回の観劇サポートの様子と、そのサービス内容をご紹介いたします。
耳に障害をお持ちの方向けの観劇サポート(8月10日(月・祝)開催)
劇場内の案内表示・スタッフの対応
新国立劇場は、今回の会場である中劇場に限らず、各所に、お手洗いやエレベーターの場所などを大きくわかりやすく示した案内表示を設置しております。
また、現在、新型コロナウイルス感染症拡大予防への措置として劇場から全てのお客様にお願いをしている、来場者カードのご記入や、ご自身でのチケット半券の切り取りといったご入場に際しての流れなどを、当日の受付時に手話通訳者や要約筆記専門スタッフのご協力のもとご案内いたしました。

その他の公演日においても、新国立劇場での公演日には、劇場内に
お困りの際は、気兼ねなくお近くの係員にお声がけください。
ポータブル字幕機の貸出

聴覚障害をお持ちの方への観劇サポート公演日には、毎回セリフや⾳の情報を⽂字でご覧いただける、⼿持ち型ポータブル字幕機をお貸し出ししております。
案内役の松たか子さんが、時には登場人物たちの味方になったり、主人公の飼い犬になったりと、様々な役を務めた本作。今回の字幕ガイドは、その声色の使い分けも臨場感たっぷりに伝わるような内容にいたしました。
その他、筋の展開や理解に重要となる物⾳、効果⾳や歌唱などの情報も、劇の進行に合わせて⾃動的に切り替わる仕様です。
また、当日は膝上に字幕機を置きやすいようクッションもお使いいただけますので、ご活用ください。
目に障害をお持ちの方向けの観劇サポート(8月13日(木)開催)
まずは中劇場の広さを現地で体感!
広々とした会場である中劇場。お客様には、そのサイズや、舞台装置の位置関係の他、新型コロナウイルス感染症対策を施した本作の演出についての解説を、最初に劇場内にてお聞きいただきました。
なお今回の演出上の新型コロナウイルス感染症対策としては、衣裳プランに予めマウスシールドを取り入れたことや、ワイヤレスマイクを装着したことの他、アクティングエリアと客席最前列までの距離を2メートル保った形式での上演が挙げられます。
また、客席内でも前後左右に1席ずつ空席を配置するなどの措置を取りました。

ご説明役は、新国立劇場演劇研修所第1期修了生でもある窪田 壮史さん。
中劇場のサイズをお伝えするために、実際下手端から上手いっぱいまで歩いてみると、その間口(横幅)はなんと約24メートル(歩幅80センチメートルにして、30歩分!)。
一方、その奥行は、舞台最前線から約40メートルあり、劇中ラストで舞台装置が回りながら引っ込む様子に圧倒された方も多かったのではないでしょうか。
ご参加の方々からは、「随分と大きいのね」というお声が聞こえてきました。
その後、中劇場ホワイエにて、不思議だけれども今現在の情勢に似通った世界観である、本作のあらすじや見どころのご説明をいたしました。
同時に、本作でも主要な役どころを務め、そして過去の"おとなもこどもも楽しめる作品"の数々で活躍してきた4人の俳優(近藤良平、首藤康之、長塚圭史、松たか子)による役柄紹介の録音を、実際の舞台でその声が判別できるよう、事前に聞いていただきました。
模型や小道具などに触れて
続いて、本公演でも、

"音声ガイド" とは、 ナレーター:持丸あい氏が実際の舞台を別ブースから観ながら"
終演後の感想として、「
今回の説明会も、これまでの観劇サポートに引き続き、
新国立劇場はこれからも、より多くの方々に舞台芸術をお楽しみいただけるよう、サービスの向上、企画への取り組みに努めてまいります。
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