演劇公演関連ニュース
演劇『願いがかなうぐつぐつカクテル』にて目や耳に障害を持つお客様への観劇サポートを実施いたしました
7月18日(土)、25日(土)の演劇『願いがかなうぐつぐつカクテル』(会場:新国立劇場・小劇場)公演にて目や耳に障害を持つお客様向けの観劇サポートを実施いたしました。
新国立劇場は、多くの皆様とって訪れやすい場所になること、そして、より様々なお客様に、より舞台芸術を楽しんでいただくことを目指しております。
その取り組みの一環である観劇サポート公演は、2018年の開始以来、今回で4回目となりました。
なお、今回は新型コロナウイルス感染症対策をした上でのご案内をし、総勢21名のご参加を頂きました。(そのうち、障害をお持ちの方は12名様)
各サポート公演の様子を、下記にてご紹介いたします。
耳に障害をお持ちの方向けの観劇サポート(7月18日(土)開催)
ポータブル字幕機の貸出

セリフや⾳の情報を⽂字でご覧いただける、⼿持ち型ポータブル字幕機をお貸し出しいたしました。
⽂字で表⽰されるのはセリフだけではなく、筋の展開や理解に重要となる物⾳、効果⾳や⾳楽などの情報も含んでいます。表⽰は出演者の動きなど、ドラマの進行に合わせて⾃動的に切り替えられ、舞台上の動きを追いやすいようになっています。
字幕機にはストラップがついており、首からぶら下げて固定できるようなひと工夫が。ご希望に応じて、膝上に字幕機を置きやすいようクッションもお貸し出しします。
受付では、チケットの受け取りから字幕機の使用方法、来場者カードの記入などご説明し、スムーズに観劇していただけるようサポートします。その際には、手話通訳または要約筆記を実施し、お申し込みいただいた方と円滑にコミュニケーションが取れるよう対応いたしました。
ロビー・ホワイエでのサポート

ロビーやホワイエでは、耳に障害をお持ちの方も快適に過ごしていただけるよう、場内の案内サインを大きくわかりやすくし、各所に設置しています。
案内サインの強化により、新型コロナウイルス感染予防、拡散防止のために口頭でのご案内を減らすことができ、障害のない方に対する効果も生んでいます。

また、全案内係が指差し会話シートを携帯し、何かお困りの際も気兼ねなくご質問いただけるような対応をいたしました。
目に障害をお持ちの方向けの観劇サポート(7月25日(土)開催)
中劇場ホワイエに再現!舞台装置のタッチツアー
これまで、新国立劇場による目に障害をお持ちの方向け観劇サポートでは、お客様が実際の舞台を歩き、舞台セットや小道具に触ることにより、舞台のイメージをお持ちいただけるよう努めていました。しかし、残念ながら今回は、新型コロナウイルス感染症対策として、出演者とお客様のゾーンを分けざるを得ず、それが叶いません。
そこで、中劇場のホワイエに、ほぼ同サイズで簡略化した舞台セットをセッティングし、それぞれに触れていただくことにより、装置の位置関係や劇中に出てくる仕掛けをご体感いただきました。
また、コロナ禍以前は当日会場にて放送、配布していた音声プログラムについても、できるだけ「密」を避けるため、今回は事前にお送りし、お聞きいただいた上でのご来場をお願いしました。音声プログラムは、あらすじ・みどころや、出演者・登場人物の紹介を吹き込んだもので、出演者自身が登場人物を語る音声も収録されています。事前にお送りすることにより、お客様により一層作品を楽しめた、と終演後にはご好評を頂きました。

説明会は、司会の土井さんによる演目の簡単なご紹介、そして舞台装置及び美術全体のご説明から始まりました。
ミヒャエル・エンデの描いた不思議な世界観を舞台上に再現すべく、所狭しと描かれた手書き風のイラストそれぞれを言葉でご説明することで、お客様にもメルヘンチックな舞台美術を豊かにご想像いただけたことでしょう。
タッチツアーの最初は、舞台装置のご紹介から。
各装置に見立てたパネルを手でたどっていただきながら、位置関係をご確認いただきました。



続いて、登場人物たちの衣裳や、小道具にも実際に触れていただきました。
本公演では新型コロナウイルス感染症対策にも配慮した衣裳プランを導入しており、その特徴的な衣裳のからくりのひとつもご紹介いたしました。

「しっかり付いているのねぇ。」というお声も。

マスクの役割も兼ねた特殊なスーツに、皆様興味津々でした。

原作小説の朗読

説明会の最後には、進行役の土井さんによる原作小説『魔法のカクテル』の冒頭部分の朗読をお聞きいただきました。
これまでの舞台装置・小道具・衣裳のタッチツアーと合わせて、上演前のイメージづくりを十分にして頂けたことでしょう。
今回の説明会も、これまでの観劇サポートに引き続き、新国立劇場演劇研修所修了生でもある窪田 壮史さん(第1期生)、土井 真波さん(第4期生)、菊池 夏野さん(第5期生)、そして演出家である田中啓介さんにご協力をいただきました。
新国立劇場は、様々な人が芸術や舞台をより身近に感じていただけるよう、これからもこのような取り組みを行ってまいります。
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