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2019/2020シーズン演劇 『どん底』開幕!

新国立劇場では本日10月3日(木)に演劇『どん底』が開幕しました。

  

1910年の日本初演以来、愛され続けるゴーリキーの名作

新国立劇場の2019/2020シーズンがついに開幕

     

2019/2020演劇シーズン、シリーズ「ことぜん」の第一弾は、ロシアの作家ゴーリキーの『どん底』を上演します。

本作は日本の演劇界において、1910年(明治43年)に『夜の宿』と題して初演されて以来、百年を経た現在でもたびたび上演され、数々の名舞台を産み出してきた名作です。

小川絵梨子芸術監督の企画した「ことぜん」シリーズの第一弾でもあるこの「どん底」の演出に挑む文学座の新鋭、五戸真理枝は新たな視点で「社会と人間」というテーマを本作を通して描き出しました。手練れぞろいの俳優陣も含めて見どころ満載の作品です。ぜひご期待ください!

  

絶望を見ながら生きている人を鼓舞するような、「個人」を勇気づけるような演目にしたい

『どん底』 演出・五戸真理枝よりメッセージ

   

モスクワの貧民街にある木賃宿での生活を切りとったような物語です。登場人物は、犯罪者、前科者、破産した人、病人など、世の中からはじきだされていたり、生活に追いつめられていたり、社会的な価値が低いとみなされている人達です。彼らは自分の生きている価値を懸命に探している感じがします。そこへある日、巡礼者が現れ、彼らをなぐさめたり、勇気づけたりしはじめるのですが...結局、自分の生きてる価値は自分で考えるしかないという現実に直面するんだと思います。描かれているのは生きる苦しみなのですが、ゴーリキーは苦しんだり悩んでる人達の姿を嘘なく写し取ることで、救いがない中でもがいていることそのままを評価しているような気がします。そんな懐深いあたたかさを感じられる物語だと思います。

今回は「ことぜん」のシリーズの一本ですが、「全体」が進んでいく方向が必ずしも正しいとは限らないと、恐らく多くの人は気づいているのではないかと思います。気づいていても、止めることはできなくて、「踏みつぶされる人はどうなんだ?」「絶望的だ」と将来を見ている人も多いのではないかと。絶望を見ながら生きている人を鼓舞するような、「個人」を勇気づけるような演目にしたいと思っています。

  

公演詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/play/the_lower_depths/

  

チケットはこちら

  

(左から)立川三貴、廣田高志

   


『どん底』稽古場&コメント映像

 

 

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