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『赤道の下のマクベス』 スペシャルトークイベントが開催されました!(鄭義信・池内博之・平田満)

さる12月18日(月)に新国立劇場で来年3月に上演される『赤道の下のマクベス』のスペシャルトークイベントを開催しました。今回のトークイベントでは作・演出の鄭義信さんを迎えてこれまでの制作過程を振り返りつつ、本作に主演する池内博之さん、平田満さんも交えて上演に対する意気込みを聞きました。

 

 

(左から)鄭 義信、池内博之、平田 満

 

 

 

 

鄭義信さんは今まで新国立劇場で数々の名作を書き下ろしてきた作家であり、演出家です。特に『焼肉ドラゴン』・『たとえば野に咲く花のように』・『パーマ屋スミレ』の「鄭義信三部作」は2016年に新国立劇場で一挙再演もされ、特に人気の高い作品群となりました。

 

本作『赤道の下のマクベス』その三部作に続く演劇ファン待望の4作目。2010年にソン・ジンチェク演出によりソウルにて初演、ソウルや北京での公演を経て、今回は鄭自らの改訂・演出で2018年3月に日本初演を迎えます。

 

出演の二人は本作の印象をこう語ります。「まず台本を頂いて、最初にカフェで読んでいたのですが、読み進むうちにどんどん入りこんですごく泣いてしまって。その日はとても最後まで読めなかったんです。この作品はBC級戦犯の話を描いているのですが、自分にはこういった知識があまりなく、勉強不足を反省しました。ぜひ若い人にも見て欲しい作品です。」と池内さん。

平田さんは「鄭さんの作品にはいつも優しさを感じています。この作品もそうだと思いました。戦争とか、正義とか、そういったものを声高に叫ぶのではなく人間にフォーカスを当てた作品です。個人的に、この年齢で一兵卒の役を演じることにとてもやりがいを感じているので、今から楽しみです。」と答えました。

 

また、鄭さん自身はこの作品について「死刑を待つBC級戦犯の収容所という極限の状態を舞台にしているので、いつもより笑いが少なくなっちゃったかもね(笑)。でも、絶望感より、小さくても最後に希望のようなものが残るということを描きたい。」と意気込みを語りました。

 

鄭 義信
池内博之
平田 満

 

 

稽古が"しつこい"ことで有名で、「アジアで二番目にしつこい演出家」を自称する鄭義信さんに対して、池内さんが「大変な稽古になると思いますが、この作品を上演することはとても意義があると感じています。精一杯演じたい。鄭さんについていきます!」、平田さんは「心して稽古に入りたいです。大変な稽古になるとは思いますが、今の時期にやるべき劇として上演できれば嬉しいですね。」と互いに気合を入れる中、「(稽古が長いと言われるが)最近はそうでもないんだよ。」と鄭さんが笑う場面も。「池内さんと平田さんが言葉を交わすシーンが多いので、まるで親子みたいに見えればいいですね。」と演出に対する想いを語るなど、終始和やかな雰囲気でトークを終えました。

  

 

公演は来年の3月6日~25日まで。東京・初台の新国立劇場にて。

チケットは1月20日発売。コチラよりお求めください。

 

 

 

 

 

『赤道の下のマクベス』公演概要

公演日程:2018年3月6日(火)~25日(日) 会場:新国立劇場 小劇場

作・演出:鄭 義信

出演:池内博之 浅野雅博 尾上寛之 丸山厚人 平田満

   木津誠之 チョウ ヨンホ 岩男海史 中西良介

一般発売日: 2018年1月20日(土)10:00~ / 芸術監督:宮田慶子  主催:新国立劇場

公演詳細:https://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_009660.html

 

 

<あらすじ>

1947年夏、シンガポール、チャンギ刑務所。

死刑囚が収容される監獄・Pホールは、演劇にあこがれ、ぼろぼろになるまでシェイクスピアの『マクベス』を読んでいた朴南星(パク・ナムソン)、戦犯となった自分の身を嘆いてはめそめそ泣く李文平(イ・ムンピョン)、一度無罪で釈放されたにも関わらず、再び捕まり二度目の死刑判決を受けるはめになった金春吉(キム・チュンギル)など朝鮮人の元捕虜監視員と、元日本軍人の山形や黒田、小西など、複雑なメンバーで構成されていた。

BC級戦犯である彼らは、わずかばかりの食料に腹をすかし、時には看守からのリンチを受け、肉体的にも精神的にも熾烈極まる日々を送っていた。ただただ死刑執行を待つ日々......そして、ついにその日が訪れた時......。