演劇芸術監督 小川絵梨子


二年以上もの間、世界中が新型コロナウイルスの影響によって多大なる影響を受け、厳しい状況が続いています。日常が否応なく変化し、毎日の不安が消えることは難しいかもしれませんが、この先少しでも事態が収束に向かって行くことを切に願います。劇場に足を運ぶこと自体が大変な中、舞台を楽しみに見に来てくださった観客の皆さまには深く感謝すると共に、これ以上ないほどの大きな励みとなりました。舞台を見て下さる方々、見たいと思って下さる方々の存在の大きさと有り難さを改めて噛みしめる日々です。舞台芸術の可能性をより広げ、そしてより良き作品をお届けできるよう努めて参りたいと思います。

新国立劇場演劇の2022/2023シーズンでは、これまでのシーズンにはない新しい試みがあります。まずはシーズン幕開けに、フランス・パリの国立オデオン劇場からの招聘公演『ガラスの動物園』をお届け致します。本来は2020年に招聘予定でしたが感染症の影響により二回の延期となり、今シーズンに遂にお届けすることが叶うと思っております。続いては劇作家トム・ストッパードの最新作となる『レオポルトシュタット』を上演致します。ストッパード自身の半生を元に家系図を辿りながら、繰り返される苦しみの歴史の中で命を繋ぎ、世代を紡いできた或る一家の姿を描く物語です。二つの中劇場での公演に続いて、小劇場では「未来につなぐもの」と題したシリーズで新作を三本お届け致します。劇作家の横山拓也さんと山田佳奈さんの新作、そして2019年よりイギリスのロイヤルコート劇場と行ってきた劇作家ワークショップから生まれた須貝 英さんの新作になります。演出には稲葉賀恵さん、大澤 遊さん、眞鍋卓嗣さんをお迎え致します。劇作家と演出家は全て30代、40代となり、現在社会で活躍する世代が、過去から現在へ、そしてその先へつないでいくものをテーマに物語を描きます。今というこの場所から、これからの未来に何をつないでいくのかを考えていくシリーズとなります。続いて、フルオーディション企画では20世記を代表する戯曲の一つとも言える大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を上演致します。第一部「ミレニアム迫る」と第二部「ペレストロイカ」の同時公演を行い、計二ヶ月間に渡る公演を予定しております。演出にはオーディション企画では二回目となる上村聡史さんをお迎え致しました。そしてシーズンのラストには、「こどももおとなも楽しめるシリーズ」の第四弾として、長塚圭史さんによる新作をお届け致します。

今シーズンでは就任以来初めてとなる海外招聘公演や、現代劇作家による新作のシリーズ、フルオーディション企画では二部作の二ヶ月間公演など、新たな試みに挑戦して参ります。その他、こつこつプロジェクトの第三期がスタートし、ギャラリープロジェクトでは引き続き中高生のための演劇ワークショップを行う他に新しい企画も予定しております。

2022/2023シーズンの新国立劇場演劇を一人でも多くの皆さまに楽しんで頂けましたら幸いに存じます。何卒、よろしくお願い申し上げます。


演劇芸術監督 小川絵梨子


二年以上もの間、世界中が新型コロナウイルスの影響によって多大なる影響を受け、厳しい状況が続いています。日常が否応なく変化し、毎日の不安が消えることは難しいかもしれませんが、この先少しでも事態が収束に向かって行くことを切に願います。劇場に足を運ぶこと自体が大変な中、舞台を楽しみに見に来てくださった観客の皆さまには深く感謝すると共に、これ以上ないほどの大きな励みとなりました。舞台を見て下さる方々、見たいと思って下さる方々の存在の大きさと有り難さを改めて噛みしめる日々です。舞台芸術の可能性をより広げ、そしてより良き作品をお届けできるよう努めて参りたいと思います。

新国立劇場演劇の2022/2023シーズンでは、これまでのシーズンにはない新しい試みがあります。まずはシーズン幕開けに、フランス・パリの国立オデオン劇場からの招聘公演『ガラスの動物園』をお届け致します。本来は2020年に招聘予定でしたが感染症の影響により二回の延期となり、今シーズンに遂にお届けすることが叶うと思っております。続いては劇作家トム・ストッパードの最新作となる『レオポルトシュタット』を上演致します。ストッパード自身の半生を元に家系図を辿りながら、繰り返される苦しみの歴史の中で命を繋ぎ、世代を紡いできた或る一家の姿を描く物語です。二つの中劇場での公演に続いて、小劇場では「未来につなぐもの」と題したシリーズで新作を三本お届け致します。劇作家の横山拓也さんと山田佳奈さんの新作、そして2019年よりイギリスのロイヤルコート劇場と行ってきた劇作家ワークショップから生まれた須貝 英さんの新作になります。演出には稲葉賀恵さん、大澤 遊さん、眞鍋卓嗣さんをお迎え致します。劇作家と演出家は全て30代、40代となり、現在社会で活躍する世代が、過去から現在へ、そしてその先へつないでいくものをテーマに物語を描きます。今というこの場所から、これからの未来に何をつないでいくのかを考えていくシリーズとなります。

続いて、フルオーディション企画では20世記を代表する戯曲の一つとも言える大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を上演致します。第一部「ミレニアム迫る」と第二部「ペレストロイカ」の同時公演を行い、計二ヶ月間に渡る公演を予定しております。演出にはオーディション企画では二回目となる上村聡史さんをお迎え致しました。そしてシーズンのラストには、「こどももおとなも楽しめるシリーズ」の第四弾として、長塚圭史さんによる新作をお届け致します。

今シーズンでは就任以来初めてとなる海外招聘公演や、現代劇作家による新作のシリーズ、フルオーディション企画では二部作の二ヶ月間公演など、新たな試みに挑戦して参ります。その他、こつこつプロジェクトの第三期がスタートし、ギャラリープロジェクトでは引き続き中高生のための演劇ワークショップを行う他に新しい企画も予定しております。

2022/2023シーズンの新国立劇場演劇を一人でも多くの皆さまに楽しんで頂けましたら幸いに存じます。何卒、よろしくお願い申し上げます。

プロフィール

2004年、ニューヨーク・アクターズスタジオ大学院演出部卒業。06~07年、平成17年度文化庁新進芸術家海外研修制度研修生。18年9月より新国立劇場の演劇芸術監督に就任。近年の演出作品に、『ダウト~疑いについての寓話』『検察側の証人』『ほんとうのハウンド警部』『作者を探す六人の登場人物』『じゃり』『ART』『死と乙女』『WILD』『熱帯樹』『出口なし』『マクガワン・トリロジー』『FUN HOME』『The Beauty Queen of Leenane』『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『CRIMES OF THE HEART ―心の罪―』『死の舞踏/令嬢ジュリー』『ユビュ王』『夜想曲集』『RED』『スポケーンの左手』など。
新国立劇場では『キネマの天地』『タージマハルの衛兵』『骨と十字架』『スカイライト』『1984』『マリアの首-幻に長崎を想う曲-』『星ノ数ホド』『OPUS/作品』の演出のほか、『かもめ』『ウインズロウ・ボーイ』の翻訳も手がける。