プロフィール

【作】中上健次(なかがみ・けんじ)
1946年、和歌山県新宮市生まれ。和歌山県立新宮高校を卒業と同時に上京。同人誌「文芸首都」で執筆活動を開始し、76年『岬』で第74回芥川賞を受賞。戦後生まれ初の受賞者となる。77年、長編小説『枯木灘(かれきなだ)』で第31回毎日出版文化賞、翌年同作品で第28回芸術選奨文部大臣賞新人賞受賞。他に、『地の果て 至上の時』『日輪の翼』『讃歌』『千年の愉楽』『奇蹟』『異族』などの長編小説に加え、『化粧』『水の女』『熊野集』『重力の都』など数多くの短編小説集、紀伊半島のルポルタージュ『紀州〜木の国根の国物語』や、脚本など。92年8月12日永眠。享年46歳。

【台本】松井 周(まつい・しゅう)
1972年、東京都出身。96年に平田オリザ率いる劇団「青年団」に俳優として入団。その後、作家・演出家としても活動をはじめ、2004年青年団若手自主企画公演『通過』(第9回日本劇作家協会新人戯曲賞入賞)、05年『ワールドプレミア』(第11回同賞入賞)、06年『地下室』、07年『シフト』を経て、同年9月『カロリーの消費』により劇団「サンプル」を旗揚げし、青年団から独立。バラバラの、自分だけの地図を持って彷徨する人間たちを描きながら、現実と虚構、モノとヒト、男性と女性、俳優と観客、などあらゆる関係の境界線を疑い、踏み越え、混ぜ合わせることを試みている。作品が翻訳される機会も増え『シフト』『カロリーの消費』はフランス語に、『地下室』はイタリア語に翻訳されている。08年『家族の肖像』、09年『あの人の世界』は、それぞれ第53、54回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネート。近年は大学講師、小説やエッセイなどの執筆活動、CMや映画、ドラマへの出演など幅広い活躍を行う。10年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。

【演出】松本雄吉(まつもと・ゆうきち)
維新派主宰、劇作家・演出家。1946年熊本県天草生まれ。野外公演にこだわり、映画さながらの大規模なセットや、独自のスタイル「ヂャンヂャン☆オペラ」を確立し、70年の結成以来一貫してオリジナル作品を上演している。代表作に『さかしま』(奈良・室生)や、『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』(岡山・犬島)がある。オセアニアやヨーロッパ、中南米など、海外でも屋内外問わず作品を発表している。これまでに朝日舞台芸術賞や芸術選奨文部科学大臣賞などを受賞し、2011年には紫綬褒章受章。

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