【作】泉 鏡花(いずみ・きょうか)
1873年生まれ、1939年没。明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家。戯曲や俳句も手がけた。尾崎紅葉に師事した。『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家の座を不動のものとする。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られ、近代における幻想文学の先駆者としても評価される。他の主要作品に『照葉狂言』『婦系図』『歌行燈』などがある。
【演出】白井 晃(しらい・あきら)
俳優・演出家。大阪府出身。遊◉機械/全自動シアター(1983〜 2002年)の活動を経て、現在は硬質なストレートプレイから音楽劇、オペラまで広く活動。美意識の高い、緻密な舞台演出で定評がある。02、03年と連続して第9、10回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。05年『偶然の音楽』の脚色に対して湯浅芳子賞を受賞。近年の主な演出作品に、世田谷パブリックシアター『偶然の音楽』『三文オペラ』『ガラスの葉』、アトリエ・ダンカン『血の婚礼』、まつもと市民芸術館『ヒステリア』『エドワード・ボンドのリア』、パルコ『中国の不思議な役人』、二期会『オテロ』など。新国立劇場では05年シリーズ・笑いC『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』、08年シリーズ・同時代Vol.2『混じりあうこと、消えること』に続き3作目の演出となる。