【翻 訳】小田島雄志(おだしま ゆうし)
英文学者。演劇評論家。翻訳家。1930年、旧満州奉天(現在の瀋陽)生まれ。東京大学英文科をへて、56年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程終了。國學院大学講師、津田塾大学講師などを経て、68年より東京大学教養学部講師となる。
その後、教授に、91年、同大学名誉教授。定年後は文京女子短期大学教授も勤めた。93年、東京芸術劇場2代目館長に就任。現在は名誉館長。95年、紫綬褒章受章。02年文化功労者に選ばれる。『シェイクスピア全集』でシェイクスピアの全戯曲を翻訳し、80年に芸術選奨文部大臣賞を受賞。ほかにもイギリス現代戯曲をはじめ、評論の翻訳書など著書多数。テネシー・ウィリアムズやアントン・チェーホフの英語版からの翻訳も手がけている。07年度で終了した湯浅芳子賞を引き継ぎ、海外戯曲の優れた翻訳を対象に自費で「小田島雄志・翻訳戯曲賞」を設立し、09年1月に第1回授賞式を行った。最近の主な翻訳に『シェイクスピアのソネット』『詩神の声聞こゆ』『ローカル・カラー/観察記録』(トルーマン・カポーティ著)、著書に『シェイクスピアの戦争・平和学』『シェイクスピアの人間学』『道化の耳』などがある。新国立劇場では『ガラスの動物園』以来。
【演 出】鵜山 仁(うやま ひとし)
慶応義塾大学フランス文学科卒業。舞台芸術学院を経て文学座附属研究所に入所、劇団員に。初演出は1982年文学座アトリエ公演『プラハ1975』。以降、精力的な演出活動を続けている。83年から1年半、文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在。2007年9月より新国立劇場演劇芸術監督に就任。
89年、芸術選奨文部大臣新人賞、99年『おばかさんの夕食会』『夢の島イニシュマーン』の演出で第2回毎日芸術賞千田是也賞、01年新国立劇場『コペンハーゲン』で紀伊國屋演劇賞個人賞と読売演劇大賞優秀演出家賞、03年『ニュルンベルグ裁判』(ひょうご舞台芸術)などにより読売演劇大賞の大賞・最優秀演出家賞、07年『ゆれる車の音』(文学座)などにより読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。そのほかの主な演出作品に、『グリークス』(第25回紀伊國屋演劇賞団体賞)、『缶詰』(第55回文化庁芸術祭最優秀賞)、『ザ・ウィアー(堰)』(以上文学座)、『雪やこんこん』『父と暮せば』(以上こまつ座)など、またオペラでも数々の話題作を手がけている。新国立劇場では、『リア王』『新・雨月物語』『新・地獄変』『花咲く港』『カエル』『コペンハーゲン』『アルゴス坂の白い家』『オットーと呼ばれる日本人』『舞台は夢』、オペラ『カルメン』を演出している。