プロフィール

【作】ルイジ・ピランデルロ(Luigi Pirandello)
1867年、イタリア、シチリア島生まれ。小説家を目指すが、父の破産以後文学教師として働く。発狂した妻の死の前後から次々と戯曲を執筆。『作者を探す六人の登場人物』『ヘンリー四世』などの代表作を生み出す。特に前者は1921年の初演時に観客の喝采と怒号で劇場が大混乱に陥る問題作となったが、翌年のロンドン公演で大成功をおさめ、ピランデルロの名前が世界に知られるようになった。23年には長男の設立したローマ芸術座劇場の芸術監督に就くが経済的に失敗。34年ノーベル文学賞を受賞、その2年後に肺炎によって他界。『山の巨人たち』(1937年)は絶筆の未完作となった。

【演出】ジョルジュ・ラヴォーダン(Georges Lavaudant)
1947年グルノーブル生まれ。フランスの俳優、演出家。1968年セミプロ的な演劇グループを結成、73年以降公的な助成を獲得する劇団となった。1996年3月、ラヴォーダンはオデオン・ヨーロッパ劇場の芸術監督に就任。オデオンでの最初の演出『リア王』はこの大悲劇を喜劇すれすれの趣向で演出し、批評家からも観客からも絶賛された。現在はフリーランスとして活躍。
ラヴォーダンの舞台にはいずれも夢と現実が混交する世界の揺らめき、イリュージョンと想像のたわむれがあるといわれる。その舞台を創出する良きパートナーである美術家ジャン・ピエールとの共同創作は長年にわたる。今回の新国立劇場公演『山の巨人たち』の美術もピエール氏が担当する。


平幹二朗(ひら・みきじろう)
俳優座を退団後、浅利慶太演出『ハムレット』出演で新境地を開く。その後、蜷川幸雄演出作品に出演する。主な作品は『王女メディア』『近松心中物語』『NINAGAWAマクベス』等があり、これらの作品は海外でも高い評価を得ている。その後自らが主催(幹の会)するシェイクスピア全作品の上演をライフワークに、現在10作品を上演。ここ数作品は自ら演出も手掛けている。2008年は蜷川演出『リア王』、明治座『剣客商売』に出演し、テレビでもNHK『篤姫』で好演した。98年紫綬褒章、01年読売演劇大賞最優秀男優賞、05年旭日小綬章。新国立劇場へは、今回が満を持しての初登場。

麻実れい(あさみ・れい)
1970年宝塚歌劇団に入団。80年雪組トップスターとなり、1985年、宝塚退団。以降、『シカゴ』『マクベス』『ハムレット』『蜘蛛女のキス』『二十世紀』『サラ』『オイディプス王』『桜の園』『AOI/KOMACHI』『タイタス・アンドロニカス』などミュージカル、古典、翻訳劇など多くの話題作に出演。数々の演劇賞を受賞。最近では2004年、第54回芸術選奨文部科学大臣賞、2006年紫綬褒章受章。最近では、2004年7月、カルチュラル・オリンピアード(芸術オリンピック)参加作品としてギリシャ・アテネの古代劇場、ヘロ デス・アティコスで『オイディプス王』、2006年には英国ロイヤルシェイクスピアカンパニーに『タイタス・アンドロニカス』で、また、2007年には米国ニューヨークを含む東部主要都市を『AOI/KOMACHI』で巡演するなど海外でも舞台に立つ。その他、2006年『黒蜥蜴』の緑川夫人実は黒蜥蜴役、2008年『かもめ』のアルカージナ役で出演。新国立劇場には『くしゃみ』『箱根強羅ホテル』『夏の夜の夢』に出演。

手塚とおる(てづか・とおる)
1983年『黒いチューリップ』(作:唐十郎 演出:蜷川幸雄)でデビュー。1986年から劇団健康に参加。1992年の解散まで全作品に出演。その後、ナイロン100℃、野田地図、大人計画、劇団☆新感線、燐光群、TPTなどの舞台に客演。現在は映画、テレビドラマでも活躍する。また、シリーウォークプロデュース『お茶と同情』(93)で初の作、演出。劇作家、演出家としても活躍。新国立劇場へは音楽劇『ブッダ』、『マッチ売りの少女』『透明人間の蒸気』に出演。
今年12/3〜9には新鋭の映像作家、奥秀太郎演出による舞台『黒猫』(原作:エドガー・アラン・ポー/新国立劇場 主催:TBS・パソナ)に出演する。

田中美里(たなか・みさと)
1996年、第4回「東宝シンデレラ」審査員特別賞受賞。1997年、NHK連続テレビ小説『あぐり』のヒロインに抜擢されデビュー。その後、ドラマ・映画・舞台に多数出演。テレビでは木曜ミステリー『その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル』シリーズ(ANB)、土曜ワイド劇場『京都南署鑑識ファイル4』シリーズ(ANB)、舞台『妻をめとらば』『錦鯉』、ダンダンブエノ公演『砂利』など。映画の代表作では、『一本の手』『みすゞ』『探偵事務所5』。現在、能登地震復興映画『能登の花ヨメ』主演映画が8月23日より順次全国ロードショー。さらに、bay-FM『MORNING CRUSIN』でラジオのパーソナリティやナレーションなどでも活躍中。新国立劇場へは『かもめ』のニーナ役で出演。

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