2011/2012シーズンメッセージ

尾高忠明

1年目のシーズンは、様々な愛の形をテーマに描かれた作品を中心に選びましたが、うって変わって2年目の演目は、オープニングから、何とも激しいストーリー展開を見せる『イル・トロヴァトーレ』を選びました。これほどスケールの大きいドラマが他にあるでしょうか?それを見事に音楽で表したヴェルディは、正に天才です。
次の新制作演目には、日本人にとって最も身近な作曲家の一人、ドヴォルザークの『ルサルカ』を選びました。昨シーズンのラインアップをご紹介する際、“より広く”とお話ししましたが、レパートリーも“より広くなろう”という気持ちの表れです。チェコ語上演への挑戦でもありますが、本国の方々も招聘し、万全の体制で臨みます。
自国の作品が必要ということは常々思っていることですが、新国立劇場が上演した邦人作品の中で、是非もう一度取り上げたい、と思ったのが松村禎三さんの『沈黙』です。今回は演劇部門の芸術監督、宮田慶子さんが演出してくださいます。また、ワーグナーイヤーに先立ち、『ローエングリン』を新制作演目として選びました。ワーグナー作品の醍醐味を味わって頂ければと思います。
再演演目については、限られた上演可能演目リストからの難しい選出でしたが、バルツァさんが登場する『こうもり』など、充実したラインアップに仕上げることができました。僭越ではありますが、オペラの指揮を控えていた私の肩の調子も良好なので『サロメ』の指揮は自身でと思っております。
新国立劇場オペラ2011/2012シーズンに、どうぞご期待ください。