【新国立劇場オペラ研修所ニュース】『夏の夜の夢』でオペラ研修所修了生たちが多数活躍、大喝采のうちに閉幕ほか
新国立劇場オペラ2020/2021シーズン開幕公演『夏の夜の夢』でオペラ研修所修了生たちが多数活躍、大喝采のうちに閉幕
8か月ぶりの公演となった、新国立劇場オペラ開幕公演『夏の夜の夢』で、日本が誇る世界的なカウンターテナー藤木大地をはじめ、村上公太、近藤圭、高橋正尚、岸浪愛学ら多数のオペラ研修所修了生たちが大活躍したオペラ開幕公演『夏の夜の夢』が喝采のうちに幕を閉じました。
◆オーベロン:藤木大地(5期修了、カウンターテナー)
東京藝術大学卒業。新国立劇場オペラ研修所第5期修了。文化庁派遣芸術家在外研修でボローニャに留学後、ウィーンに拠点を置き、ウィーン国立音楽大学大学院で文化経営学を専攻。2011年、ローマ国際宗教音楽コンクールファイナリスト。12年、第31回国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクールにてオーストリア代表に2年連続で選出、世界大会ファイナリストとなり、ハンス・ガボア賞を受賞。同年、日本音楽コンクール第1位。13年5月、ボローニャ歌劇場にてグルック『クレーリアの勝利』マンニオ役でヨーロッパ・デビュー。翌月同劇場にバッティステッリ『イタリア式離婚狂想曲』カルメロ役で出演、国際的に高い評価を得る。17年4月にライマン『メデア』へロルド役でウィーン国立歌劇場にデビュー。東洋人のカウンター・テナーとして史上初の快挙で、現地の聴衆から熱狂的に迎えられた。国内では主要オーケストラとの共演や各地でのリサイタルで活躍しており、村上春樹原作の映画「ハナレイ・ベイ」主題歌も担当。18年10月にはメジャー・デビュー・アルバム「愛のよろこびは」をリリース。バロックからコンテンポラリーまで幅広いレパートリーで活躍している。19年にはサントリーサマーフェスティバル『リトゥン・オン・スキン』に出演。2020年2月には企画原案・主演を務めた新作歌劇『400歳のカストラート』が大成功を収めるなど、プロデューサーとしての仕事ぶりにも定評がある。新国立劇場へはオペラ研修所在籍中の03年『フィガロの結婚』ドン・クルツィオに出演して以来の登場となり、カウンターテナーとしては今回の『夏の夜の夢』がデビューとなった。
▲平井香織、藤木大地
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◆ライサンダー:村上公太(6期修了、テノール)
東京音楽大学声楽演奏家コース卒業。新国立劇場オペラ研修所第6期修了。文化庁在外派遣研修員としてイタリア・ボローニャへ留学。ジュゼッペ・ディ・ステファノ国際コンクールにおいて『リゴレット』マントヴァ公爵役を獲得。シンガポール・リリック・オペラ『ラ・ボエーム』ロドルフォ、『魔笛』タミーノ、『サロメ』ナラボート、『椿姫』アルフレードに客演し、好評を博す。東京二期会では『マクベス』マルコム、『チャールダーシュの女王』ボニ、『ダナエの愛』ボルクス、『トリスタンとイゾルデ』メロートで活躍。16年日生劇場『後宮からの逃走』ベドリッロも好演した。新国立劇場では『パルジファル』第1の聖杯騎士、『こうもり』アルフレード、『ばらの騎士』ファーニナル家の執事、『ウェルテル』シュミット、『カルメン』レメンダード、『ファルスタッフ』フェントンに出演、特に『こうもり』アルフレードは2回連続で出演し高い評価を得ており、本年11~12月にも同役に出演予定。今回の『夏の夜の夢』ライサンダー役で出演。二期会会員。
▲但馬由香、村上公太
◆「ディミートリアス:近藤圭(9期修了、バリトン)
国立音楽大学卒業。同大学院を首席で修了。新国立劇場オペラ研修所第9期修了。2012、13年度ロームミュージックファンデーション奨学生として、ドイツ・ハンブルクに留学。沼尻竜典指揮トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ定期公演で『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロールに抜擢。同公演には『フィガロの結婚』伯爵役で2年連続出演している。2010年『メリー・ウィドー』サン・ブリオッシュで二期会オペラに初出演。近年では小澤征爾指揮『子供と魔法』に時計役、東京二期会『ナクソス島のアリアドネ』ハレルキン、日生劇場『ラ・ボエーム』ショナールなどに出演。19年は東京芸術劇場『ドン・ジョヴァンニ』マゼット、小澤征爾音楽塾『カルメン』ダンカイロに出演している。コンサートではドイツに於いてハイドン「四季」ソリストを務め、北ドイツ放送局で放映されたほか、マーラー「さすらう若人の歌」、オルフ「カルミナ・ブラーナ」、フォーレ「レクイエム」、ヘンデル「メサイア」等のソリストで好評を博す。15年小澤征爾指揮『子供と魔法』に時計役で出演。新国立劇場には16年『魔笛』パパゲーノに急遽出演して本格的にデビューしたほか、カヴァー歌手として多くの公演に参加している。新国立劇場には今回の『夏の夜の夢』ディミートリアス役で出演。二期会会員。
▲大隅智佳子、近藤圭
◆ボトム:高橋正尚(19期修了、バリトン)
群馬県出身。国立音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。新国立劇場オペラ研修所第19期修了。ANAスカラシップによりミラノ・スカラ座アカデミー、バイエルン州立歌劇場研修所で研修。これまでに『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、レポレッロ、マゼット、騎士長、『フィガロの結婚』フィガロ、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、『蝶々夫人』シャープレス、『ラ・ボエーム』ショナール、『ロミオとジュリエット』メルキューシオ、『イル・カンピエッロ』アストロフィーなどに出演。シューベルト『ミサ曲第5番』、『スターバト・マーテル』のソリストとしても出演している。新国立劇場には今回の『夏の夜の夢』ボトム役でがデビューとなり、その高い実力で好評を博した。
▲高橋正尚、平井香織、TOKYO FM 少年合唱団
◆フルート:岸浪愛学(16期修了、テノール)
東京都出身、中学校卒業後中国へ留学。中国政府奨学金を受け中央音楽学院声楽歌劇学部卒 業。同大学院修士課程修了。新国立劇場オペラ研修所第 16 期生修了。その後イタリア・ボ ローニャに留学。アルフレード・クラウス国際コンクール(スペイン)セミ・ファイナリス ト。オペラ研修所では『秘密の結婚』パオリーノ、『なりゆき泥棒』アルベルト伯爵、『こう もり』アイゼンシュタイン、『フィガロの結婚』バジリオ、ドン・クルツィオなどで出演。 新国立劇場公演には今回『夏の夜の夢』フルート役がデビューとなった。
▲妻屋秀和、岸浪愛学、高橋正尚
舞台写真撮影:寺司正彦
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◆関連ニュース
朝日新聞Be 2020年9月12日(土)
藤木大地インタビュー1:選ばれし声が伝える歌の魂
藤木大地インタビュー2:「道のないところに道をつくる人に憧れた」
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家庭画報(世界文化社) 2020年4月号
『ヤングアーティスト・オペラ&バレエ ガラ』が大盛況のうちに閉幕
9月12、13日オペラ研修所とバレエ研修所の初の合同公演『ヤングアーティスト・オペラ&バレエ ガラ』が上演され大好評のうちに幕を閉じました。
▲9/13終演後楽屋エリアにて。
オペラ研修所長・永井和子、指揮・柴田真郁、演出主任講師・粟國淳らとともに。
日本音コン(声楽部門)井上大聞、小林啓倫が本選に進出!
第89回日本音楽コンクールで井上大聞(新国立劇場オペラ研修所第21期生)、小林啓倫(新国立劇場オペラ研修所16期修了)が一次、二次予選を通過し本選に進出!
井上大聞(左) 小林啓倫(右)
研修講師コレペティトゥアの岩渕慶子がラジオ出演
新国立劇場オペラ研修所講師・コレペティトゥアの岩渕慶子がNHKラジオ「ラジオ深夜便」に出演します。
・日時:[FM] 2020年10月25日(日) 午前4:05~午前5:00(55分).
・内容:「夜明けのオペラ」
<次回公演>
オペラ研修所修了公演 ※演目未定
2021年3月5日(金)~7日(日) 新国立劇場・中劇場
新国立劇場オペラ研修所について
オペラ研修所は、プロのオペラ歌手を目指している人の研修機関として、平成10年(1998年)4月に開設され、高倍率の選考試験を突破した才能豊かな15名の歌手たちが、3年間の研修に励んでいます。
国内外の一流講師陣による歌唱レッスンはもとより、演技や発声法の実践的な演習、諸外国語習得のための授業など、オペラ歌手に不可欠な知識と教養を身につけるための多様な研修を行っています。
また、2016年4月に創設された「新国立劇場若手オペラ歌手育成事業支援ANAスカラシップ」による海外研修の充実により、海外での貴重な経験が可能となっています。
修了生は新国立劇場への出演はもちろん、海外歌劇場へのデビューを果たし、国内外のオペラ・カンパニーなどで広く活躍をしています。