
平成26年度 新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室・関西公演
オペラ「夕鶴」/團伊玖磨
Yuzuru/Dan Ikuma
全1幕〈日本語上演〉
尼崎市総合文化センター あましんアルカイックホール
『夕鶴』は、生涯に7作のオペラ作品を発表した團伊玖磨の第1作目のオペラです。團は、民話「鶴の恩返し」に題材をとった木下順二の名作戯曲「夕鶴」を、「台本を一字一句変えてはならない」という条件のもとに作曲しました。その美しい詩と叙情的な旋律は人々に愛され、1952年の初演以来国内外での上演は800回以上を数える、日本オペラ不朽の名作です。
栗山民也演出による新国立劇場のプロダクションは、能舞台を思わせる装置に、「空」をイメージする背景、その中に与ひょうの住む家が一軒というシンプルな舞台が特徴です。つうはそこから「自分の本当の住処」である空へと戻っていきます。
関西公演では平成25年度に続き2度目の上演となります。
主催:尼崎市
公益財団法人尼崎市総合文化センター
新国立劇場
助成:
協賛:
協力:公益財団法人 日本教育公務員弘済会 兵庫支部
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ニュース
- 2014年7月22日
- 鑑賞教室・関西公演「夕鶴」/「さまよえるオランダ人」<演奏会形式>出演者変更について
公演日程・チケット
公演日程
- 11月5日(水)2:00 尼崎市総合文化センター あましんアルカイックホール
- 11月6日(木)2:00 尼崎市総合文化センター あましんアルカイックホール
チケット料金(税込)
全席指定:2,160円(高校生のみ)
当日料金:2,160円(高校生以下)/ 4,320円(一般・大人)
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学校単位のお申し込み・お問い合わせ:新国立劇場営業部鑑賞教室係 TEL 03-5352-5745
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予定上演時間:約2時間20分(休憩含む)
スタッフ・キャスト
スタッフ
- 指揮
- 石坂 宏
- 演出
- 栗山民也
- 美術
- 堀尾幸男
- 衣裳
- 植田いつ子
- 照明
- 勝柴次朗
- 振付
- 吾妻徳彌
キャスト
〈11月5日〉
- つう
- 石橋栄実
- 与ひょう
- 望月哲也
- 運ず
- 星野 淳
- 惣ど
- 峰 茂樹
- 管弦楽
- 大阪フィルハーモニー交響楽団
〈11月6日〉
- つう
- 針生美智子
- 与ひょう
- 小原啓楼
- 運ず
- 吉川健一
- 惣ど
- 北川辰彦
- 管弦楽
- 大阪フィルハーモニー交響楽団
ものがたり
【第1場】村人にばかにされるほど純朴な農夫で、働き者の与ひょうは、美しい妻つうと小さな家で仲睦まじく暮らしている。ある日、運ずと惣どが、つうの噂話をしている。つうが織る布は「鶴の千羽織」と呼ばれ、町で十両もの高値で売れたというのだ。本物の鶴の羽で織った布ならば、都で売れば千両になるに違いない、と2人は金もうけの計画を立てる。しかし鶴の羽を一体どこで手に入れるのだろうと不思議に思った2人は、機屋を覗く。するとそこには鶴の羽が落ちているではないか。2人は、つうは鶴の化身なのではないかと疑い始める。与ひょうに問いただすと、彼は鶴を助けたことがあるという。確信した2人は与ひょうに、つうに布を織ってもらい、都で金もうけしようと誘う。布を織るたび痩せていくつうを思い、最初は気のりしなかった与ひょうだが、誘惑に負け、布を織るようつうに命じる。最近金もうけの話ばかりする与ひょうは以前と変わってしまった、とつうは嘆く。これ以上織ったらもう体がもたないかもしれないが、都行きを楽しみにしている与ひょうを思い、つうは布を織る決意をする。そして、いつものように機屋を決して覗かないよう与ひょうに約束させ、織り始める。しかし運ずと惣どは覗いてしまい、中の様子に驚き、与ひょうに報告する。それを聞いた与ひょうは、たまらず機屋を覗く。すると、中には鶴が1羽いるだけで、つうの姿が見当たらない。与ひょうはつうを探しに出る。
【第2場】いくら探してもつうは見つからず、与ひょうは倒れる。そこへつうが布を持ってやってくる。喜ぶ与ひょう。つうは2枚の布を織ったが、織っている最中に姿を見られたから、空へ帰らなければいけない、と涙を流す。布の1枚はいつまでも大切に持っていてほしいと与ひょうに渡し、姿を消す。空高く鶴が飛んでいく─。